研究課題/領域番号 |
16H05638
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
坂本 昭二 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60600476)
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研究分担者 |
岡田 至弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30127063)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2016年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 紙分析 / 製紙技法 / 敦煌文書 / ゲニザ文書 / レンブラント / 澱粉 / カイロゲニザ文書 / オランダ東インド会社文書 / 製紙技術 / 古文書 / デジタルアーカイブ / シャルトル大聖堂文書 / カイロ・ゲニザ文書 / 非破壊分析 / ラグペーパー / 繊維 / 紙 |
研究成果の概要 |
およそ2000年前に中国で発明された紙は世界中に広まったが、その伝播の過程は史料による限られた記述を除いては不明瞭であった。本研究ではユーラシア大陸での製紙技法の東西伝播の変遷を明らかにするために図書館や美術館などに保管されている古文書類の紙を非破壊の方法で分析した。この結果、中国に楮繊維を数ミリメートルに切断する処理が存在したことや、デンプン粒を補助原料として混入する手法が存在したことを示した。一方で、中国、中央アジア、中東、北アフリカ、ヨーロッパの古い紙を分析した結果、糸屑や襤褸布片が混ざっているものが多数確認した。これは襤褸布などのラグを原材料にした紙が作られていたことを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古文書や絵画などの紙資料文化財に対して、従来のようなサンプリングをともなう破壊分析を実施することは困難であったが、我々が開発した非破壊の科学分析手法を用いて紙資料文化財を大量に分析できるようになった。この結果、これまでの史料による研究ではなく、古い紙資料文化財そのものを分析することによって明確な証拠とともに新たな知見が得られ、製紙技法の伝播などの紙の歴史について研究を実証的に進めることができるようになった。また、レンブラントの銅版画作品に使用された紙の分析からも新たな知見を得ることができた。
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