研究課題
基盤研究(B)
如何にして大質量星が形成されるのかは、現在の天文学研究における重要な問題の1つであるがよく理解されていない。特に、星間磁場が巨大分子雲における大質量星の形成とどのように関連しているかは明らかではない。そこで、大質量星が形成されている巨大分子雲と大質量星が形成されていない巨大分子雲の磁場構造を近赤外偏光観測により広範かつ詳細に調べ、磁場構造と密度構造の比較研究を行った。その結果、分子ガスの柱密度に対して磁場が相対的に弱い領域では大質量星が形成されるのに対し、磁場が相対的に強い領域では低・中質量の星のみが形成されることが分かった。これは、磁場が形成される星の質量を制御していることを示唆する。
天文衛星「プランク」により全天域でサブミリ波偏光観測で星間磁場が調べられているが、その角分解能は十分でなく巨大分子雲の局所的な磁場構造を調べるのに十分でなかった。より高い角分解で磁場構造を調べることができる近赤外線偏光観測は従来から行われていたが観測範囲が狭く、巨大分子雲の全体を詳細に調べた例はほとんどなかった。本研究では、いくつかの巨大分子雲の全体の磁場構造を近赤外線偏光観測で詳細に調べることにより、星間磁場が星形成に重要な影響を与えていることを観測的に示した。このことは、星形成の研究分野に重要な知見を与えたと考えられる。
すべて 2020 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件)
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 印刷中
Astronomy in Focus XXX, presented at IAU XXX General Assembly, Vienna, Austria. Proceedings of the IAU, 2020
巻: なし 号: A30 ページ: 109-109
10.1017/s1743921319003648
天文月報 (7月号)
巻: 113(印刷中)
巻: 71 号: Supplement_1
10.1093/pasj/psz040
10.1093/pasj/psz072
The Astrophysical Journal Letters
巻: 875 号: 2 ページ: L16-L16
10.3847/2041-8213/ab1346
Publications of Astronomical Society of Japan
巻: 830 号: 2 ページ: 23-29
10.3847/2041-8205/830/2/l23