研究課題
基盤研究(B)
金星「後光」を一つのシグナルとし、厚さ20 kmもの雲層中で何が起こっているかを解き明かそうと本研究を実施し、(1)後光観測により金星雲の粒径を特定、(2)雲頂高度の時間空間変化を定量化、(3)中下層を探る夜面データを精査した。雲層内の循環やそこに存在するさまざまな大気波動現象の寄与が見えつつある。「あかつき」LIRが発見した重力波の一部はわれわれのデータにも見えており、雲層内で引き起こされる循環と地面から伝わる波、その他の複合的寄与の研究へとつながる。数値モデル計算との連携が「観測された現象の物理的意味を解釈」するのに有用であることを示し、次の研究発展への手がかりを得た。
金星は「地球の双子星」であるとともに、実は「系外惑星(第2の地球)」を理解する上で重要な対象と考えられている。その金星について大気の性質の基本を理解し、さまざまな現象を理論的に説明できるようになることは、宇宙における惑星環境の普遍的な理解へとつながるものである。母星からのエネルギーを昼面で受け止め、それを大気内循環の駆動源とする、そうした基本構造の理解を目指した研究を実施したものであり、ここから得られたもの(や、得られつつあるもの)は、金星科学にとどまらずより広範な応用範囲と影響範囲をもつものである。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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