研究課題
基盤研究(B)
シャジクモは南極大陸を除く世界各地に分布し、地域変異が多く、様々な淡水環境に生育している。このようなシャジクモの現在の分布様式は、おもに水鳥の渡りによる散布と、東アジアを中心に始まった水稲農業による二次的環境(水田、ため池など)の形成による新たなニッチ獲得の影響を受けていると考えられる。しかし、東アジアを中心としたシャジクモの現在の分布様式の成立過程と地域変異の進化過程は明らかにされていない。本研究では、東アジアを中心とした海外からシャジクモを採集し、種内の遺伝的多様性、系統関係、表現型を解析することで、現在のシャジクモの分布様式の成立過程と多様性を明らかにした。
本研究の研究対象であるシャジクモは、湖、ため池、水田など、わたしたちにとって身近な淡水生態系に生育する大型藻類である。しかし、日本では近年の淡水生態系破壊の結果、急速にシャジクモの衰退が進行している。その結果、シヤジクモは環境省版レッドリストにおいて絶滅危惧種として掲載されている。本研究で明らかとなった東アジアを中心に分布するシャジクモの現在の分布様式の成立過程と多様性に関する知見は、生態学的に重要な広域分布種や絶滅の危機に瀕している種の実体解明に向けた研究や施策を考える上で非常に有益な情報となり得ると期待される。
すべて 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (15件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 4件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 10件、 招待講演 4件)
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 119 号: 8
10.1073/pnas.2120962119
藻類
巻: 70 ページ: 29-37
Phycologia
巻: in press
Journal of Asia-Pacific Biodiversity
巻: 14 号: 1 ページ: 15-22
10.1016/j.japb.2020.09.005
Phycological Research
巻: 68 号: 4 ページ: 263-268
10.1111/pre.12436
Cell
巻: 174 号: 2 ページ: 448-464
10.1016/j.cell.2018.06.033
Nature Communications
巻: 9 号: 1 ページ: 5283-5283
10.1038/s41467-018-07728-3
Journal of Plant Research
巻: 129 号: 5 ページ: 853-862
10.1007/s10265-016-0844-x
Current Biology
巻: 26 号: 12 ページ: 1622-1628
10.1016/j.cub.2016.04.060
PLOS ONE
巻: 11 号: 7 ページ: e0158944-e0158944
10.1371/journal.pone.0158944
120005844143
Sci. Rep.
巻: 6 号: 1 ページ: 39232-39232
10.1038/srep39232