研究課題
若手研究(A)
人の認知的活動の多くは、他者との身体的な相互作用を通じてなされる。こうした社会的な相互作用の基盤を支えていると考えられるのが、人が固有に有する身体的模倣である。身体模倣の実現には、複数の感覚器・効果器の間で、さらに自己と他者の間で表現を変換する必要があり、高度な計算過程を要する。本研究は、特定の種類の身体運動が固有にもつ力学系の次元を基礎として、身体運動の教師なしの分節化および動作種類の同定が可能である事を実証した。また、特定の運動を生成するための基礎理論の構築を試みた。
身体模倣に内在する基本的な性質を解明することで、我々が他者の動きからどのような情報を得ているか、相手がどんな意図を持つか、などの基礎的なメカニズムの理解へとつながると期待される。将来的には、具体的に、自閉症などの社会的な認知機能の障害とみられる傾向をもつ方の支援や周囲の人たちがとるべきコミュニケーションの方法についての示唆を与えることにつながると考えられる。
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