研究課題
若手研究(A)
日常生活における生体信号の常時計測を実現するために、非接触心拍計測技術の研究開発を行った。容量結合型心電図計とマイクロ波ドップラーセンサを用いた心拍抽出技術を開発し、室内環境と走行中の車両内でその有効性を示した。さらに、低消費電力化のための技術としてサンプリング誤差補正アルゴリズムを提案した。これらの提案技術の応用として活動量のモニタリングに着目し、低消費電力かつ高精度な活動量センサシステムを開発してその性能を評価した。
本研究の学術的意義は、新規センシング技術と階層間協調設計により非接触かつ高精度な生体センサーを携帯可能なサイズで実現する点にある。従来は心拍を得るために貼り付け型や腕時計型、あるいは衣服に埋め込んだ電極などが直接皮膚に接触する必要があったのに対し、提案センサーでは非接触で同等の計測を実現することで侵襲度を下げてユーザビリティを向上させることができる。本研究の社会的意義は、常時計測可能な生体センサーの普及により、医療や運輸のように従事者の健康が多数の人命に直結するような現場での安全管理に貢献できる。また、普及に伴って数多くの実測データが得られることで、これを活用した新たな学術的知見も期待できる。
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