研究課題
若手研究(A)
研究では、深度の異なる15の海底コア堆積物試料を微生物接種源に用い、結晶性酸化鉄とメタンまたは酢酸を基質とした長期間集積培養を行った。その集積過程を次世代シークエンサーにより網羅的に明らかにするとともに、エネルギー順位の高い溶解性鉄やその他電子受容体基質を用いた二段目培養を適用することで、ナノマグネタイト蓄積が観察された深度付近からFirmicutes門に属する2種の鉄還元菌の分離培養に成功した。このことは、海底下深部の炭素循環に結晶性酸化鉄還元微生物が密接に関与していることを強く示唆するものである。
本研究で標的とする炭素化合物「メタンおよび酢酸」と地球第4位の構成元素「鉄」は地球上最大の根源物質であるため、その代謝に関わる未知微生物群の実体解明は、地下圏の生命活動全体を紐解くことに直結する。陸域土壌からよく検出されるDeltaproteobacteria綱に属する鉄還元・酢酸酸化菌が地下深部からは取得されなかったことから、海底下では陸上圏とは異なる結晶性酸化鉄の還元機構が存在していることが強く示唆された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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