研究課題
若手研究(A)
本研究では、頭頸部癌患者の安静時エネルギー消費量および呼吸商を測定し、エネルギー代謝変化を検討した。さらに、悪液質と非悪液質の2群に分け、化学放射線療法中の体重変化と栄養投与量との関連を検討した。その結果、頭頸部癌患者では健常者に比し、安静時エネルギー消費量が亢進していることが分かった。また、頭頸部癌患者において、悪液質群は非悪液質群に比し、安静時エネルギー消費量が亢進しており、呼吸商が低値であることが示された。さらに、治療中により多くのエネルギー、たんぱく質を投与することで悪液質患者の体重減少を非悪液質患者と同程度に抑制できる可能性が示された。
癌患者では栄養不良が高頻度に生じるが、栄養不良は活動性低下、QOL低下、治療の耐性低下につながり、予後不良となり得る。しかしながら、癌患者の必要エネルギー量や癌悪液質における代謝変化の詳細は解明されておらず、有効な栄養管理法は確立されていない。本研究において、悪液質患者ではエネルギー消費亢進分のエネルギーを充足することや、より多くのたんぱく質を投与することで、非悪液質患者と同程度の体重減少に抑えられる可能性が示された。今後、悪液質患者に対する栄養療法の解明につなげたい。
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四国医学雑誌
巻: 73 ページ: 23-28
内分泌・糖尿病・代謝内科
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