研究課題
若手研究(A)
本研究では、海溝型超巨大地震の繰り返しメカニズム解明に向けて必要なデータである、観測記録よりも長期間での地殻変動を、東北地方太平洋沖地震の際に広域的な地殻変動が記録された三陸海岸を対象に、沖積平野における沖積層の解析と放射性炭素年代測定に基づいて推定した。沖積層の堆積環境や年代の時空間分布に基づいて推定された最近数千~1万年間の地殻変動は、三陸海岸中~南部で沈降傾向であり、同海岸北部では相対的隆起傾向であることが明らかになった。
従来、三陸海岸では限られた範囲でのみ認められる隆起海岸地形だけを根拠に、同海岸全域が長期的に隆起傾向にあるとみなされ、この隆起傾向を前提として超巨大地震繰り返しモデルが提案されてきた。本研究で明らかになった、三陸海岸の北部と南部の地殻変動傾向の違いは、従来の地震サイクルモデルの前提条件を見直す必要性を示すという点で、地震テクトニクス研究の発展やハザード評価に寄与する。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件)
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