研究課題/領域番号 |
16H05950
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
麻田 雅文 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (30626205)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 蒋介石 / スターリン / チャーチル / ローズヴェルト / 日中戦争 / アジア太平洋戦争 / 東アジア / 第二次世界大戦 / 国際政治 / 中ソ関係 / ソ連 |
研究成果の概要 |
日中戦争下の1937年から1945年にかけて、蒋介石が連合国の指導者たちと交わした書簡を収集した。具体的にはスターリン、ローズヴェルト、チャーチルとの往復書簡である。こうした電報や手紙には、各国の首脳の苦悩や希望が如実に反映されており、見るべき物がある。社交辞令や時候の挨拶だけのものや、美辞麗句に彩られて本音をうかがうこともできないものも多い。しかしそうした書簡であっても、発信された理由や時期を考えるとき、様々なことを教えてくれる。 日中戦争の戦場では、中国側は常に劣勢に立たされた。しかし蒋介石にとって、外交は日中戦争を勝ち抜くためのもう一つの戦場だった。そのための武器が書簡であったと言えよう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦時中の蒋介石の外交は、各国との平等を求めるものだったと先行研究では分析されている。しかし問題は、では各国はそのように蒋介石と中国を扱ったのかどうかだ。これは、中国側の外交文書や、蒋介石の日記を読むだけでは分からない。交渉相手の文書も読んで、はじめて分かることである。そうした双方の視点を積み重ねることで、世界史の中の日中戦争を位置づけることが可能となる。 手紙は対外的な「表の顔」であるのに対し、近年公開された日記は「裏の顔」だ。「表の顔」の分析をせず、日記で「裏の顔」を暴くことに執着するのは、外交の分析としては本末転倒である。日記と手紙の両方を分析することで、蒋介石の多角的な外交は明らかになる。
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