研究課題
若手研究(A)
本研究では、金コア周りの配位子環境の制御により誘起される金骨格の幾何・電子構造の変化を探索した。二座配位子の配位点をつなぐリンカー部位の鎖長を変えることで配位子環境の柔軟性に相違が生まれ、金クラスターの発光特性を制御できることが分かった。また、金コア周りの有機配位子に修飾を施すことから、金コアと有機配位子の間に働く特異な非結合性相互作用の存在を発見し、それがクラスターの光学特性や安定性などに影響を与えていることを示した。
有機配位子保護金クラスターは、コアの構造や核数などの僅かな違いが物性に大きな影響を及ぼす可能性があり、機能性ナノ材料の素材として多大な注目を集めている。一方、近年の研究報告の大半は幾何構造決定に終始してきた。こうした中で、金コア周りの配位子環境に焦点を当てた本研究から得られた知見は非常に有用であり、有機配位子保護金属クラスターの配位子環境へのアプローチを行うことから金属クラスター研究の今後の進展が期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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