研究課題
若手研究(A)
本研究では,軸対称な偏光分布を持つベクトルビームと呼ばれるレーザー光を共焦点レーザー走査型顕微鏡に適用し,空間分解能を大きく向上する手法を開発した.本手法では,ベクトルビームの偏光や位相の空間分布を制御することで,焦点に異なる形状の集光スポットを発生させ,その集光スポットの走査により得られた画像の差引演算により空間分解能を向上することを原理とする.本原理に基づいて,実際に可視光を用いたイメージングを実施し,従来の限界を超えた100 nmに迫る空間分解能が達成できることを実証した.
レーザー顕微鏡法は,多様な学術分野あるいは産業現場において広く普及している必須の観察手法である.一方で,光を用いた顕微鏡法であるため,観察対象として解像可能な最小サイズは使用する光の波長程度であり,可視光を用いた場合の空間分解能の限界は200 nm前後とされている.本研究成果は,このような従来のレーザー顕微鏡法に対して,使用するレーザー光をベクトルビームとするだけで従来の限界を超えた高い空間分解能が容易に得られること実証した点に大きな意義があり,広く様々な分野での活用につながることが期待される.
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http://satolab.tagen.tohoku.ac.jp/