研究課題/領域番号 |
16H06028
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 充彦 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (00378598)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2016年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
|
キーワード | 時間分解赤外分光 / 溶媒和クラスター / 溶媒和ダイナミクス / 分子分光 |
研究成果の概要 |
本研究では、単独のレーザーでは実現困難なエネルギーと時間分解能の両立をナノ秒レーザーによる状態選択性とピコ秒レーザーによる時間分解能を組み合わせた新たな時間分解赤外分光法の開発と、その気相溶媒和クラスターの溶媒和ダイナミクスへの応用に成功した。 溶媒和構造変化ダイナミクスのメカニズムには溶質―溶媒相互作用ポテンシャルの形により、反発型と束縛型の大きく二種類に分けられることを明らかにした。両者とも振動エネルギー再分配が鍵となる役割を果たすが、そのエネルギーフローの方向が逆であることを明らかにした。さらに、両者は溶媒運動の速度に1000倍以上の差ができることもわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学反応では、反応物だけでなくそれを取り囲む溶媒分子の運動が反応機構、速度に大きな影響を与える。しかし、溶媒分子は大量に存在するため、一つ一つの溶媒分子の運動に基づいて溶媒運動の役割を研究することはできていない。 本研究で開発した時間・エネルギー極限分光法の開発と溶媒和クラスターへの適用は、一つ一つの溶媒分子の運動を区別して測定する手段を提供できる。この手法により得られる結果は、化学反応機構の分子論的理解の基礎を与えるほか、理論計算のベンチマークとしても重要な意味を持つ。生体反応で重要であると予想されている特異的に強い相互作用を持つ溶媒分子の役割を理解するための基礎としても重要である。
|