研究課題
若手研究(A)
高分子と環状分子が幾何学的に拘束されたポリロタキサンのみからなる新規硬質材料「ポリロタキサンガラス」について、様々な誘導体からなる材料物性の系統的な研究を行った。その結果、1)環状成分の運動が凍結したガラス状態にも残っている主鎖高分子の大運動、2)力学的タフネスを生み出す主鎖高分子と環状成分の伸長誘起相分離、3)各成分間の幾何学的拘束によるガラス転移の大幅な遅延とその分子設計による制御、4)ガラス状態における主鎖高分子の運動性と力学的タフネスとの相関が明らかになった。
上記の研究成果は全て、既存の高分子材料には存在しない分子運動性や幾何学的な拘束に由来する材料物性を明らかにしたものであり、これまでとは全く異なる分子設計により材料物性が制御できることを明確に示している。このポリロタキサン特有の分子設計指針を用いることで、既存の材料の強靭化や機能化の実現も期待される。また、ポリロタキサンという構造が明確な分子を用いることで、通常の高分子材料でも見られるが観測や制御が困難な幾何学的拘束についての詳細な考察を可能とし、ガラス転移機構の解明にも資する学術的に非常に重要な研究成果となった。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (35件) (うち国際学会 9件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
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