研究課題/領域番号 |
16H06062
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
武富 紳也 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (20608096)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2016年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 水素脆化 / 格子欠陥 / 転位 / 材料強度 / 純鉄 / 分子静力学 / 転位動力学 / 機械材料・材料力学 / 分子静力学法 / 環境強度 / 疲労 / 転位の可動性 / 分子動力学 / 金属物性 |
研究成果の概要 |
社会的要請の高まっている水素脆化メカニズム解明のため,水素脆化素過程の各プロセスについて着目した研究を実施した.特に,原子シミュレーションから転位の運動速度が力学条件と水素濃度によって逆の傾向をみせることが示された.ナノインデンテーション試験を実施したところ,水素濃度によって材料が硬化・軟化の性質を見せることが確認され,原子シミュレーション結果と定性的に一致した.また,低ひずみ速度試験を実施し,この傾向が実際の水素脆化き裂成長プロセスにおいても生じていることを示唆する結果を獲得し,素過程から水素脆化の解明を試みた水素脆化素過程モデルの基盤を構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素脆化は100年以上にわたり研究が続けられており,この問題は近年では燃料電池システムを活用した水素エネルギー社会実現のための最も重要な課題のひとつとなっている.本研究では水素脆化の素過程に着目した研究を実施し,これまで未解明であった水素による材料の硬化と軟化という一見矛盾した結果を,転位の可動性に着目することで合理的に説明することに成功した.さらに水素脆化素過程の競合によって支配的水素脆化メカニズムが変化すると考え,水素脆化素過程モデルの基礎モデルを構築した.水素脆化メカニズムの理解を通じて,水素関連機器の安全な利用につながる成果である.
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