研究課題
若手研究(A)
2つの面を接触させると、その接触面の全てが接触しているわけではなく、実際に接触している小さな接触点が無数にある。これを真実接触面と呼ぶ。典型的な摩擦の研究では、擦る物質を変えたり、潤滑油を変えたり、温度や真空度を変えるなどした際の摩擦力の変化を計測することで、真実接触面の機械特性を間接的に考察する。しかし本研究では、独自に開発したマイクロマシンを透過型電子顕微鏡の中で動かすことで、単一の真実接触面を直接観察し、同時にに摩擦力と垂直抗力を計測できる実験系を構築した。構築した実験系を用いて、Agやシリコンなどの摺動時の単突起の真実接触面や摩耗量をナノスケールで計測した。
2つの面を接触させて水平方向に動かすと、駆動と逆向きに抵抗力が発生する。これが摩擦である。摩擦は幅広いスケールで現れる。小さなスケールではマイクロマシンや分子モーターの駆動部分、大きなスケールではプレート間に働いて地殻変動や地震の原因になる。新たに開発した計測手法は、真実接触面を原子レベルで観察し、摩擦力と垂直抗力の計測が可能であり、従来のマクロスケールの摩擦研究と比較が可能になった。構築した実験系で金属の摩擦を原子レベルで観察し、予想とどう異なるかを説明した。このミクロとマクロとの比較は、最先端の工業で用いる微小な機械の性能向上だけでなく、身の回りの現象の理解に向けた知見の獲得に貢献する
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件) 産業財産権 (1件)
Microsc. Microanal.
巻: 25 ページ: 1884-1885
M&M2019 材料力学カンファレンス 論文集
巻: 1
130007846530
日本材料学会 第4回マルチスケール材料力学 シンポジウム 論文集
Ultramicroscopy
巻: 197 ページ: 100-114
Nanotechnology
巻: 29 ページ: 325707-325707
Measurement Science and Technology
巻: 30 ページ: 017001-017001
Applied Physics Letters
巻: 110 ページ: 253501-253501
表面科学会
巻: 1 ページ: 105-110
130005475389
Microelectronic Engineering
巻: 164 ページ: 43-47
トライボロジスト
巻: 8 ページ: 519-524