研究課題
若手研究(A)
本研究は、臓器を微小サイズに物理的に分割し、空間情報を保持したまま回収・解析をすることを目指すものである。シリコンナノ加工によって作製したナノメートルからマイクロメートルサイズの刃状構造体(ブレード)をアレイに配置した微細デバイスを、臓器サンプルに押圧することで、臓器を1細胞サイズに空間情報を保持した状態で一括分割する。本課題において、臓器分割のシステムを構築し、モデル生物の臓器(マウス脳)の物理分割を行い、本提案原理の実証を行った。また、臓器分画は定量網羅的計測のための前処理操作の位置付けであることから、実際の応用に繋げるために、分画後の計測に向けた回収法に関する要素技術を開発した。
臓器を物理的に大量の微小領域に一括分割する空間分画技術が達成されることにより、これまで扱うことの難しかった臓器内部の微小な1細胞領域を個別に扱うことを可能となり、臓器内の細胞・生体分子の不均一分布・臓器構造・細胞間のネットワークの解明に繋がる。したがって本技術は、基礎的な生物学分野だけでなく疾患の理解にも資することが期待される。本課題で開発を進めた技術は、臓器を一回の操作で大量の断片に空間情報を保持した状態で分割することを目指すものであり、サンプル回収技術と解析技術を組み合わせることで、従来法では困難な網羅的な臓器内1細胞解析の達成に近づくと考えられる。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 11件、 招待講演 1件)
Biomicrofluidics
巻: 14 号: 1 ページ: 014115-014115
10.1063/1.5142666
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌)
巻: 137 号: 5 ページ: 128-133
10.1541/ieejsmas.137.128
130005631680