研究課題
若手研究(A)
本研究では、木質素材の新規加工技術として流動成形技術に着目しその実用化を図った。特に、樹脂含浸など複合化処理を施された木質素材の品質評価方法と高生産化を狙った誘電加熱の成形工程への導入を検討した。木材の樹脂含浸処理によって誘電損失が増大した結果、誘電加熱特性が向上し既存の金型加熱に対して飛躍的に加熱速度が速くなることを実証した。さらに、誘電加熱の作用により含浸木材の圧縮による変形能が向上することが確認された。この変形能の向上には、細胞壁内・細胞間領域に浸透・吸着した含浸樹脂と若干の水の存在位置が重要であることが示唆された。
本研究で着目した木質流動成形技術は、木質系素材の変形能を利用した賦形技術であり、汎用の塑性加工(鍛造)用金型とプレス装置があれば、自由な形状へバルク状木材を比較的短時間で成形加工できる。さらに樹脂含浸を併用すれば、木材の高強度化や寸法安定化などの機能化も同時に達成できる。この技術を実用化すれば、日本国内に賦存する木質資源から効率的に、且つ、高付加価値で炭素固定に寄与する伐採木材製品へと転換することができ、環境・経済面を両立する技術の創出につながる。この成果は、持続的社会の形成という大目標のなかで、地下資源由来技術に取って代わることのできる地上木質資源の工業的利活用の促進に大きく貢献できる。
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