研究課題
若手研究(A)
ゲノムワイドな遺伝子発現抑制スクリーニングにより、老化細胞の生存・機能維持に関わる遺伝子群の単離に成功した。その中でも、グルタミンをグルタミン酸に変換する酵素であるグルタミナーゼ遺伝子に着目して詳細な解析を行った。その結果、グルタミナーゼの機能抑制は、老化細胞選択的に細胞死を誘導できることを見出した。また、そのメカニズムとして、細胞内pHホメオスタシスの制御が深く関与することも明らかになった。さらに、老齢マウスにグルタミナーゼ阻害剤を投与した結果、加齢に伴う腎障害が改善された。これらの結果は、グルタミン代謝酵素を標的とした薬剤が老化の予防や加齢性疾病の治療に有効であることを示唆している。
最近の研究により、加齢に伴う老化細胞の蓄積が老化・老年病発症の大きな要因の一つであることも分かりつつあり、老化細胞除去薬の開発が世界的に注目されている。本研究により、グルタミナーゼ阻害剤により老化細胞を選択的に除去することが可能となった。今後、より臨床に即した形でグルタミナーゼ阻害剤の研究を進めることで、動脈硬化症、腎障害、さらにはがんなどの加齢性疾病の治療・予防の新たな方法論の開発に大きく貢献できるものと考えられる。
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