研究課題/領域番号 |
16H06204
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業環境・情報工学
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
常田 岳志 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 主任研究員 (20585856)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
2018年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2017年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2016年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | 水田 / 高CO2 / イネ / メタン / 安定同位体 / コメ / 気候変動 / 地球温暖化 / 同位体 / フェノミクス |
研究成果の概要 |
水田は世界人口の半数に主食のコメを供給する食糧生産基地である一方、強力な温室効果ガスであるメタンを大量に排出している。開放系大気CO2濃度増加実験(FACE)を実施し、様々なイネ遺伝資源に対する高CO2応答を実証的に調査した結果、現在の日本の主力品種と比べて高CO2による増収効果が大きい品種・系統が見出され、イネの形質としてシンク容量が重要であることが分かった。また多収かつ高CO2応答が大きいにもかかわらず、メタン排出量が少ない品種・系統が見出された。同位体による解析の結果、イネの根圏が関与する土壌有機物由来のメタン生成抑制/メタン酸化促進が低メタン化の重要なメカニズムであることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
増え続ける世界人口を養いつつ地球温暖化問題を解決するため、高CO2に対するコメ収量の応答を高めつつ、温室効果ガスであるメタンの排出を抑制する水田稲作が必要とされている。本研究で見出された高CO2に対する応答性の高い品種やその形質は、増加し続ける大気CO2を増収に結びつけるイネを選抜・育成する上で重要な知見である。また水田からのメタン排出については、これまで生産面とのトレードオフや、高CO2による排出増加の可能性が強調されてきた。本研究の結果、多収かつ高CO2応答が大きくてもメタン排出量が少ない品種が見出され、高CO2時代にコメ生産の増加とメタン排出低減を両立する新たな道筋が拓けた。
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