研究課題
若手研究(A)
本研究は、個体レベルでの傷などに対する応答・修復メカニズムの解明を目指した。生体は損傷に対する修復能を持っている。本研究は、ショウジョウバエを用いて、従来、培養細胞や哺乳類では解析するのが非常に困難な、個体レベルでの損傷応答メカニズムの基本原理の解明を目指した。その成果として、傷応答機構、傷シグナルの他の臓器への影響、傷以外の癌・老化・栄養異常・酸化ストレスなどの様々なストレスへの応答メカニズムの一端を解明した。
ヒトなど哺乳類において、組織修復は生存に必須である。 咳や腸の蠕動運動、摩擦、感染など、物理的・化学的刺激による小さな傷は日常的に起こり、修復される。熱傷瘢痕、ケロイド、褥瘡、糖尿病性壊疽、心筋梗塞などは、組織修復異常がその病態の根本である。現代人類の敵、癌は、「治らない傷」と呼ばれ、癌と傷は、病理学、生化学、生理学的に非常に共通点が多く、癌は、慢性損傷として捉えなおすことができる。このように、損傷応答・組織修復は、医学、生物学的観点から非常に大事であるが、そのメカニズムの多くは未だに謎に包まれている。私たちの研究は、このように非常に重要な損傷応答・組織修復メカニズムの一端を解明した。
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Nature Communications
巻: - 号: 1
10.1038/ncomms12282