研究課題
若手研究(A)
がん組織には異なる腫瘍細胞集団が不均一に存在していることが分かってきた。しかしながら、腫瘍内の微小環境がどのようにがん進展を制御しているか、そのメカニズムには不明な点が多い。本研究では、ショウジョウバエ上皮においてSrc活性化細胞集団の中で細胞死を引き起こした細胞が周囲のRas活性化細胞に腫瘍悪性化能を誘発することを明らかにした。さらに悪性化したRas活性化細胞はSrc活性化細胞と互いに相互作用し合いつつ隣接組織へと浸潤していくことを見出し、その分子メカニズムを明らかにした。このことは、死細胞を起点とした異なる腫瘍細胞は互いに相互作用を介して悪性化腫瘍へと変化していることを示唆している。
本研究の成果は、死にゆく腫瘍細胞がその死と引き換えに周囲の腫瘍細胞に悪性化能を誘発するという新しいがん制御メカニズムを明らかにした。このような細胞死を起点とした細胞間コミュニケーションによるがん制御システムの理解は、新たながん治療戦略や抗がん剤開発の基盤になることが期待できる。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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