研究課題/領域番号 |
16H06253
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中島 振一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60383866)
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研究協力者 |
野田 賀大
岩田 祐輔
内田 裕之
三村 將
垂水 良介
津川 幸子
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 治療抵抗性統合失調症 / グルタミン酸 / クロザピン / プロトン核磁気共鳴スペクトロスコピー / MRS / 統合失調症 |
研究成果の概要 |
治療抵抗性統合失調症(TRS)患者において、プロトン磁気共鳴分光法(1H-MRS)を使用して、グルタミン酸濃度を調べた研究は非常に少なく、結果は矛盾している。本研究では、グルタミン酸濃度を背側前帯状皮質(dACC)と尾状核で測定した。1H-MRSを用いて、TRS患者、非TRS患者、および健常対照者(HC)との間でグルタミン酸濃度を比較した。29人のTRS患者、33人の非TRS患者、33人のHCが参加した。dACCのグルタミン酸濃度は、HCに対してTRS群においてより高かった。本結果は、dACCのより高いグルタミン酸濃度がTRSと非TRSという異なる疾患カテゴリーを反映している可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症の約3割には既存のドパミン神経系を阻害する薬剤が無効であり、これを治療抵抗性統合失調症(TRS)と呼ぶ。TRSではドパミン神経系の亢進を認めていない可能性があり、他の神経系から検討する必要がある。本研究では、グルタミン酸神経系に注目し、TRS患者の脳内のグルタミン酸濃度をプロトン核磁気共鳴スペクトロスコピーで測定した。結果、TRS群は健常群より脳内グルタミン酸濃度が高いことがわかった。一方、脳内グルタミン酸濃度と重症度には関係が無かった。これらの結果により、脳内グルタミン酸の上昇がTRSの原因に関係し、TRSと非TRSという異なる疾患カテゴリーを反映している可能性が示唆された。
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