研究課題
若手研究(A)
東京大学医学部附属病院泌尿器科で診断・治療された腎癌の症例から、手術検体と末梢血を採取した。検体からDNAを抽出し次世代シークエンサーによるシークエンスを行うことで、血漿遊離DNA中における癌細胞由来の遺伝子変異の同定を試みた。血漿から抽出したcell free DNAを用いてVHL遺伝子のシークエンスを行ったところ、一部の症例において腫瘍DNAと同一のVHL遺伝子変異を検出することができた。これらの症例で手術後の血漿からもcell free DNAを抽出して同様の解析を行ったところ、術前に検出されたVHL遺伝子の変異は消失していた。
腎癌は中高年に好発する癌であり、手術や薬物による治療が行われる。進行するまで症状を呈しないことが多く、診断や再発・転移の検出には課題もある。本研究では、血液中から取り出したDNAから、腎癌で生じている遺伝子変異が検出しうることが明らかになった。これにより、腎癌の診断や再発・転移の予測が行いやすくなることが期待される。
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