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遺伝子改変膵癌モデルマウスを使用した肝微小転移巣形成促進性ニッチ因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H07054
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分補助金
研究分野 消化器外科学
研究機関九州大学

研究代表者

佐田 政史  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10783508)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
研究課題ステータス 交付 (2016年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード肝微小転移巣形成促進性ニッチ / 好中球 / NETs / DNaseⅠ / 膵癌 / 微小転移巣 / 遺伝子改変膵癌モデルマウス(KPCマウス)
研究実績の概要

本研究では、遺伝子改変膵癌モデルマウスを使用し、循環腫瘍細胞の中でも転移形成能をもった癌細胞集団の特徴と、肝微小転移巣形成促進性ニッチの解明を目指す。
GFPで標識した膵癌細胞をマウスに脾注し、一定時間経過後に解剖して、肝臓に微小転移を形成した癌細胞を蛍光顕微鏡で観察することができる微小転移モデルを作成した。間質細胞のひとつである好中球に着目して、ミエロペルオキシダーゼ染色を行うと、肝微小転移巣の辺縁に好中球の浸潤が見られ、ヒト膵癌の原発巣についても同様の評価を行うと、好中球の浸潤が見られた。好中球で近年注目されている現象に、好中球が各種タンパク分解酵素やヒストンが付着したDNAの網を細胞外に放出し、微生物を補足、殺傷するNeutrophil extracellular traps(NETs)があるが、癌細胞と好中球を間接共培養、あるいは好中球に癌細胞培養上清を添加すると、2~4倍程度NETsの誘導が増加していた。さらに原発巣由来の癌細胞に比べて、転移巣由来の癌細胞の方がNETsをより強く誘導していた。マウスに癌細胞を脾注し、NETs阻害剤のDNaseⅠを連日投与、10日後の肝転移巣形成を評価したところ、control群に比べて有意に肝転移が減少した。また、遺伝子改変自然膵発癌モデルマウスであるKPC マウス(Pdx1-Cre;LSL-KrasG12D;Trp53R172H)とLuciferase ノックインマウス(Rosa26-LSL-Luciferase)を交配させたKPCLマウスにDNase1を投与すると、ルシフェラーゼ発光値の上昇がコントロール群に比べて抑制されており、NETsが微小転移巣の形成に関して促進的役割を担っている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

循環腫瘍細胞の効率的な回収方法が確立できておらず、微小転移を形成する細胞集団の解析については計画通りに進んでいないが、転移形成を促進する微小環境因子についてはNETsについてその可能性が示唆され、計画よりも進んでいることからおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

引き続き循環腫瘍細胞の回収、解析について効率的な方法を検討していく。NETsによる血管内皮細胞傷害作用が肝微小転移巣に対して促進的役割を果たしている可能性があり、また、循環腫瘍細胞が血管内皮に接着し、他臓器へ転移を形成する際にもその機構が重要な役割を果たしている可能性があるため、それらについてマウスの肝臓から樹立した血管内皮細胞、転移巣から樹立した膵癌細胞などを用いて解析を進めていく。

報告書

(1件)
  • 2016 実績報告書

URL: 

公開日: 2016-09-02   更新日: 2018-01-16  

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