研究課題/領域番号 |
16H07227
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
張替 涼子 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 講師 (70778175)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スコットランド / 翻訳 / 自国語 / ヒューマニズム / 王権 / 国会意識 / 自国語文化 / 写本 / 近世スコットランド / 年代記 / 国家意識 / 政治観 / 帝国主義 / 書き込み / 自国語文学 / 16世紀 |
研究成果の概要 |
ヘクター・ボエスにより1526年にラテン語で執筆された『スコットランド国民の歴史』を2人の人物が別々にスコットランド英語(散文)に翻訳した。1人は国王に依頼されたのだが、もう1人はおそらく個人的な目的で作成したらしい。後者の翻訳作品の全容を解明するべく、本文考察および現存する写本の調査を行った。 写本の調査からは、この翻訳の制作時期や同時代の所有者などが明らかとなり、また、本文の考察からは、翻訳者のヒューマニズム的な王権に対する考え方が浮かび上がってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スコットランドにおいて16世紀前半は自国語文化形成の黎明期である。ラテン語で執筆された自国の歴史書を自国語に翻訳することは、より多くの国民に自国の歴史を広め、統一した自国理解、国家意識を浸透させることを意味する。ジョン・ベレンデンの翻訳はこの一例である。しかし、The Mar Lodge Translatorの翻訳は個人、もしくは極めて小さな範囲でのプロジェクトである。誰がどのような目的でこのプロジェクトを推進したのか、また歴史書の翻訳作品にどのような有用性を見出していたのかを明らかにすることはベレンデンの作品とは異なった角度から自国語文化形成の様相を明らかにするうえで極めて意義深い。
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