研究課題/領域番号 |
16H07447
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 岡山大学 (2017-2019) 国立研究開発法人理化学研究所 (2016) |
研究代表者 |
上田 那由多 (竹森那由多 / 竹森 那由多) 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (10784085)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 超伝導 / 準周期系 / 準結晶 / 強相関電子系 |
研究成果の概要 |
本研究では、準結晶の超伝導を理解することを目的として、超伝導状態の安定性、超伝導ギャップの温度依存性、比熱の温度依存性、電流-電圧特性などの準周期超伝導体の物性を数値的に解析した。実空間動的平均場近似や、弱結合領域ではよい近似であると考えられるBdG平均場理論を用いて、ペンローズ構造上の簡単な理論模型(引力ハバード模型)を導入した。弱結合の超伝導状態が周期系と異なることや、超伝導転移時の比熱のジャンプが、BCS理論で知られる普遍的な値よりも10-20%程度小さいことを見いだした。このことから、準結晶における超伝導状態の実験結果はExtended超伝導状態と矛盾しないと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
準結晶とは、周期性とは異なる空間秩序を有する物質である。超伝導はいろいろな物質で発見されてきたが、並進対称性のない準結晶で発見された弱結合超伝導状態は周期結晶で知られるBCS超伝導状態と異なる可能性が高い。本研究では、準結晶を特徴づける構造として知られる準周期系で超伝導がどのような特徴を持つのか、という問題を数値シミュレーションを用いて理論的に考察した。その結果、準周期系の弱結合領域の超伝導状態がBCS超伝導とは異なる空間的に広がった(Extended)超伝導であることを示した。また、比熱の跳びが実験値と近い値を示し、実験結果はExtended 超伝導状態と矛盾しないことを明らかにした。
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