研究課題/領域番号 |
16J00004
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小川 光貴 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (70727429)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2017年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Notch / O-GlcNAc / EOGT / 血管内皮細胞 / angiogenesis |
研究実績の概要 |
Notch 受容体上の細胞外 O-GlcNAc 修飾は、細胞外環境を感知して Notch シグナル強弱の調節機構を制御し、血管の発生を司る翻訳後修飾であるという仮説を実証することが本研究の目的である。本研究目的を実証するには、大きく分けて3つの研究課題を実施する必要性がある。課題A: 細胞外 O-GlcNAc 修飾が血管の発生や機能維持を制御しているのかを遺伝子欠損マウスを用いて生物学的に解析する必要性がある。課題B: 細胞外 O-GlcNAc 修飾による Notch シグナルの調節機構を遺伝学的な解析と生化学的な解析で解明する必要性がある。課題C: グルコサミン投与による Notch 受容体上の細胞外 O-GlcNAc 修飾の増減が Notch シグナルや血管の発生、血管の機能維持機構をどのように制御しているかを生化学・組織学的な解析で明らかにする必要性がある。本年度は課題B及び課題Cについて実施した。下記に本研究で得られた研究成果を示す。 課題B: 昨年度、細胞を用いたリガンド結合実験より、EOGTはDelta-like 1 (DLL1)、もしくはDLL4を介したNotch1との相互作用とNotchシグナルの活性化を制御することを明らかにした。そこで本年度は、O-GlcNAc 修飾がどのようにNotch1受容体とリガンドとの相互作用を制御しているかを明らかにする為に、質量分析装置を用いてNotch1受容体上の O-GlcNAc修飾サイトの同定を試みた。その結果、少なくとも mouse Notch1 EGF1-36には7個の O-GlcNAc修飾サイトが存在することを見出した。また、O-GlcNAc glycanの構造が各EGFドメインにより異なることが分かった。 課題C: グルコサミン投与による Notch 受容体上の細胞外 O-GlcNAc 修飾の増減が Notch シグナルに与える影響を調べる為に、Notchシグナル プロモーターアッセイとリガンド結合実験を実施した。その結果、グルコサミン投与により Notchシグナルとリガンド結合能が亢進していることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、細胞を用いたリガンド結合実験より、EOGTはDelta-like 1 (DLL1)、もしくはDLL4を介したNotch1との相互作用とNotchシグナルの活性化を制御することを明らかにした。そこで本年度は、O-GlcNAc 修飾がどのようにNotch1受容体とリガンドとの相互作用を制御しているかを明らかにする為に、質量分析装置を用いてNotch1受容体上の O-GlcNAc修飾サイトの同定を試みた。その結果、少なくとも mouse Notch1 EGF1-36には7個の O-GlcNAc修飾サイトが存在することを見出した。また、O-GlcNAc glycanの構造が各EGFドメインにより異なることが分かった。また、グルコサミン投与による Notch 受容体上の細胞外 O-GlcNAc 修飾の増減が Notch シグナルに与える影響を調べる為に、Notchシグナル プロモーターアッセイとリガンド結合実験を実施した。その結果、グルコサミン投与により Notchシグナルとリガンド結合能が亢進していることを見出した。 これらの研究成果の一部をeLifeに筆頭共著者として発表した(*Sawaguchi, *Varshney, *Ogawa et al., eLife, 2017 (*equal contribution))。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度末に応募資格を喪失することにより、終了年度となる為、記載しない。
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