研究課題
特別研究員奨励費
平成30年度の目的は,慢性痛の自己管理への準備性を測定するPSOCQおよびMPRCQ2の日本語版開発の成果報告,準備性の理論モデルの検討,運動療法と認知行動療法による集学的介入プログラムの改良であった。PSOCQ日本語版の開発では,201例の慢性痛患者から得た質問票データを解析して論文を執筆し,PAIN Reportsより採択を得た。結果は,原版と同様の4因子構造(前熟慮・熟慮・活動・維持)を示し,内的一貫性・再検査信頼性ともに基準を満たす値が得られた。他の尺度との相関では4つの下位尺度で概ね仮説に一致した結果が得られ,PSOCQ日本語版の構成概念妥当性が支持された。MPRCQ2日本語版の開発では,174例の慢性痛患者から得た質問票データを解析して論文を執筆し,Pain Practiceより採択を得た。結果は,原版と同様の2因子構造(積極的対処・粘り)を示した。尺度総得点を除いて良好な内的一貫性を示したが,十分な再検査信頼性を示す下位尺度は6割に留まった。他の尺度との相関は概ね仮説と一致し,MPRCQ2日本語版の構成概念妥当性が支持された。準備性の理論モデルの検討はMPRCQ2日本語版開発で得たデータの二次解析として実施する予定であったが,上記2つの質問票の投稿過程にて,査読者よりこれらは本来,痛みの自己管理を促す治療を受けている者から得たデータを検討対象にすべきだという指摘を受けた。今後こうしたデータを取得する体制の構築を進めていく予定である。集学的介入プログラムの改良では,8名の慢性痛患者の診療録を後方視的に検討し,実行可能性を調べた。実施前後と1か月後フォローアップ時点での健康関連QoLは良好な経過を示し,脱落率は12.5%であった。本結果をもとにプログラムの内容について改訂を加えた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Pain Practice
巻: in press 号: 6 ページ: 609-620
10.1111/papr.12782
PAIN Reports
巻: 4 号: 2 ページ: e711-e711
10.1097/pr9.0000000000000711
ペインクリニック
巻: 38 ページ: 299-307