研究課題/領域番号 |
16J00744
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
陳 宣聿 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2018年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2017年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2016年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 水子供養 / 嬰霊 / 善書 / 堕胎 / 血湖 / 台湾 / 民間信仰 / 宗教知識 / 人工妊娠中絶 / 現代宗教 / 水子 / 胎児 / 生命観 / 中絶 |
研究実績の概要 |
2018年度の研究成果は以下の2点である。 ①現代社会における宗教的知識の越境と再構成:報告者は2017年度から、「台湾の嬰霊慰霊は日本の水子供養の輸入」といった「日本伝来説」を検討し、その成果を踏まえ、2018年度においては、宗教施設の管理と運営に力を注ぐ「民間知識人」(暫定的呼称)に焦点を当てた。 経典的知識及び伝承された技法を重視する宗教的職能者と異なり、施設の管理と運営を担った民間知識人は、柔軟に多様な知識を吸収する性質を持っている。嬰霊慰霊が萌芽する1980年代において、民間知識人多様なる知識を吸収しながら台湾の「嬰霊」の概念を作り上げ、日本の呪術=宗教的大衆文化もその一環であった。従って水子供養は日本からの「輸入」として捉えるよりも、むしろ民間知識人たちが現地の「民間信仰」の土壌から育ててきたフィルターを通して、再解釈をする側面を重要視するべきである。 ②歴史的視点の追加:報告者は現代社会における「嬰霊」という概念の特徴を(1)中絶(堕胎)の罪、(2)現世における不調の説明、(3)胎児中心主義の言説、の三つと設定し、その現代性を明らかにするために、中国の堕胎や嬰児殺しに関連する歴史的研究を踏まえた上で、「祟る胎児像」と「胎児を弔う儀礼」に分けて考察した。分析にあたり、報告者は特に『玉歴宝鈔』や『太上感応篇』といった大衆の教化機能を担う小冊子「善書」に表現された祟る胎児像、及び産死者を救済する「血湖」に関連する儀礼の書籍に焦点を当てた。現代以前の類似概念との対比を通して、現代社会の「嬰霊」概念との間にはつながっている部分を持っているものの、相違する部分も多かったことが分かった。 その成果は雑誌『台湾宗教研究』、『東北宗教学』のでの論文投稿、そして日本宗教学会、中央研究院民族学研究所での発表、を通して公表していた。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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