研究課題/領域番号 |
16J00978
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
自然人類学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊田 有 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2017年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2016年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 霊長類学 / 行動学 / 遺伝学 / 繁殖戦略 / 繁殖の偏り / 父子判定 / 繁殖生態 / 性行動 / 集団遺伝 / 社会行動 / ベニガオザル |
研究実績の概要 |
野生ベニガオザルの繁殖生態を明らかにするため、野外における行動観察、および父子判定のためのDNA試料の採取を主な要務として、タイ王国ペッチャブリー県にあるカオクラプックカオタオモー保護区にて野外調査を実施した。対象は、この保護区に生息するベニガオザル5群(Ting群、Nadam群、Third群、Fourth群およびWngklm群)で、総観察時間は970時間であった。本年度の中心課題はDNA分析であった。最終的に、598個のDNA試料を採取した。そのうち、分析に耐えうるサンプルを選択し、248個体分のDNAサンプルすべてについて、マイクロサテライト領域10座位の分析を実施した。また、114例の新生児のうち、分析対象から外した1群を除く4群計93例の中から、DNAサンプルが採取できた母子46組について父子判定を実施し、40組の母子について、コドモの父親を推定するに至った。行動観察の結果から、群れのアルファオス及びその連合仲間となる高順位オスで交尾全体の8割を独占していることが明らかとなった。一方で、父子判定の結果は、これら交尾を独占しているオスの繁殖成功度は、交尾成功度の高さに反して低く、順位の低いオスや群れ外のオスが約半数という相当な割合で繁殖成功を収めているという結果を得た。これは、行動上、オスの繁殖戦略が優位に働いていると見える一方で、メスの隠れた配偶者選択がより優位に働いていることを示唆する結果となっている。こうした交尾成功と繁殖成功のギャップは、ニホンザルをはじめ、他のマカク種でも報告があることから、行動的特性が社会性の影響を受けて異なる様相を示すとしても、群れ内の父性の偏りを低く抑える方向にメスの繁殖戦略が働くという共通の生物学的背景があるのではないかと考察できる。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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