研究課題
特別研究員奨励費
最終年度は①リボソームストーク・ABCE1間相互作用の細胞内の機能解析と②ABCE1依存のサブユニット解離反応におけるリボソームストークの機能解析を行った。①P1とABCE1の相互作用の細胞内機能解析を試みた。酵母ABCE1(Rli1)は致死遺伝子であるため、その発現をガラクトースプロモーターで制御する出芽酵母株rli1-degron株を作製した。rli1-degron株にRli1-野生型、またはリボソームストークと結合しないRli1-3S変異体の発現プラスミドをそれぞれ補填し、内在性Rli1非存在下における生育を観察した。その結果、3S変異によりrli1-degron株の生育が阻害され、リボソームストーク・ABCE1間相互作用が出芽酵母の生育に重要であることが判明した。②リボソームストークはABCE1のATP加水分解を促進する。一方で、リボソームサブユニット解離におけるABCE1のATP加水分解の役割は明らかではない。そこでリボソームサブユニット解離におけるABCE1のATP加水分解の役割とリボソームストークの機能解析を行った。出芽酵母80Sリボソーム、Rli1、Dom34、eIF6をそれぞれ精製し、試験管内でのリボソームサブユニット解離を検出した。非加水分解性ATPアナログであるANP-PMPを用いると、ABCE1依存のリボソームサブユニット解離が著しく阻害された。この結果からABCE1のATP加水分解はリボソームサブユニット解離に必須であることが判明した。さらにRli1-3S変異体を用いると、ABCE1のATP加水分解効率およびリボソームサブユニット解離効率がそれぞれ約60%まで低下した。これらの結果から、リボソームストークはABCE1のATP加水分解を促進することでリボソームサブユニット解離を誘導することが判明した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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