研究課題/領域番号 |
16J01165
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梅田 健一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2017年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 周波数変調型原子間力顕微鏡 / 走査型トンネル顕微鏡 / 原子操作 / ナノクラスター |
研究実績の概要 |
今年度は、分子動力学(MD)計算および密度汎関数法(DFT)を用いた理論シミュレーションに取り組み、これまでFM-AFMを用いて得られた実験結果を解釈するために必要な理論計算結果を出すことに成功した。具体的には、ダッソーシステムズ社のDMol3を用いてDFTを行い、ヘテロ帯電表面構造をもつクリノクロア表面やイオン液体分子の静電ポテンシャルおよび電場分布の可視化を行った。更に、ダッソーシステムズ社のForciteによるMD計算を用いて得られたトラジェクトリーファイルから、水分子やイオン液体分子の溶媒和構造内における、原子密度や拡散係数、分子配向などの時間平均などの解析計算を行うためのプログラムをVisual Studio.NETを用いて開発を行った。また、水分子密度から探針-試料間に働くフォースを算出するためのプログラムの開発も行った。 この開発を行ったプログラムを用いて、異なった表面構造次元をもつケイ酸塩鉱物試料やカルサイトなどの表面上の水和構造、異なった表面電荷密度をもった試料表面上におけるイオン液体の純液および水溶液の溶媒和構造可視化、水溶液に溶け込んだ窒素や酸素分子などの溶存気体の吸着構造可視化、などの計算を行い、これまでの実験結果に対応するデータを出すことに成功した。更には、界面活性剤水溶液中において、AFM探針および試料表面上に形成するミセル構造の間に働く粘弾性力をそれぞれHertz理論および流体力学効果の理論式より構築し、フォースマップより得られた実験結果から、試料表面のヤング率および粘度を分子スケールで評価できるフレームワークの構築にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、実験よりも理論シミュレーションに注力し多くの研究成果を出すことができた。 これにより、実験結果で得られた結果を裏付ける結果を多く得ることができ、高インパクトファクターの論文にアクセプトされる可能性を高めることができた。 また、シミュレーションを勉強するとともに、それらの解析ソフトも自身で作成することで、自分のスキルも大幅に高めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、UHV FM-AFMにおいて確立している元素種識別・原子操作・有機分子の骨格像可視化などの先進的な技術を習得し、液中動作3D FM-AFMに応用することを目標として、UHV FM-AFM/STM装置の立ち上げおよび半導体表面構造観察、集束イオンビームを用いた探針ナノ加工などに取り組んできた。今年度、理論シミュレーションを習得したことにより、更に完成度の高い研究を遂行できるようになった。次年度から液中で動作する高速AFMを用いてバイオ試料の動的挙動を解明していく予定だが、本研究において得られた知見を有効に活用したい。
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