研究課題
特別研究員奨励費
2018年度が第3年目で最終年の本研究の概要は以下の通り。本研究課題の主たる関心は中東のキリスト教徒であるシリア正教徒共同体の音楽である。彼らがもともと居住してきたトルコ南東部・シリア北東部、そしてイラク北東部では今日、現地調査が難しいため、主な移住先の一つであるスウェーデンでこれまで渡航調査を行い、その焦点をシリア正教徒のみに絞ってきた。しかし、上述の地域は多数派がクルド人であり、背景となる地域の音楽状況も把握する必要性を感じ、18年度から中東における少数派の音楽研究を二名の研究者(谷正人氏、米山知子氏)とともに行うこととした(科研費基盤(B)『中東少数派の音文化に関する研究』)。18年度はこの活動として7月末に研究会(第一回中東音文化研究会)、12月上旬にはシリアの古都アレッポを代表する音楽家ムハンマド・カドリー・ダラール氏らを招きレクチャー・コンサートを行った。アラブ音楽に関しては拙著(『アラブ音楽入門』)も出版された。現地調査としては、スウェーデンで開催された学会The Future of Syriac Studiesへの参加を含み同地での渡航調査を6月に行った。上記学会ではシリア正教徒の世俗歌謡文化の民族音楽学における重要性に関して発表した。これに関しては2020年に出版予定の同学会記念論文集に研究ノート(英語)が掲載される予定である。10月にはスウェーデンのウプサラ大学で北東ネオ・アラム語諸語に関する学会があり参加し、この調査期間中にはトルコ南東部の都市ミディヤトで開催された国際文化芸術祭で同地の多言語歌謡文化について調査した。3月にはイラクのクルディスタン地域政府地区(エルビル市)で現地調査を行っている。なお、2017年に出版された単著『アラブ古典音楽の旋法体系:アレッポの歌謡の伝統に基づく旋法体系の記号論的解釈』が第35回東洋音楽学会田邉尚雄賞を受賞した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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東日本支部だより
巻: 49 ページ: 3-3
季刊アラブ
巻: 161 ページ: 36-37
巻: 159 ページ: 31-31
東洋音楽研究
巻: 82 ページ: 100-104
東洋音楽学会東日本支部だより
巻: 45 ページ: 8-8
巻: 82
http://www.u-sacred-heart.ac.jp/topics/2017/170930.pdf