研究課題
特別研究員奨励費
光を用いた量子計算ではこれまで、非線形な計算(非線形量子ゲート)が実現していないため、量子計算の計算能力を全て利用出来ないという点がネックとなっていた。本研究では「一方向量子計算」という手法を応用して非線形量子ゲートを実現することを目指している。本年度は、非線形量子ゲートの一種である「3次位相ゲート」の実装を行った。本研究の重要な課題となっていたのが「量子もつれ状態の光の一部を測定し、測定結果に応じた操作(フィードフォワード)を光に対して行う」部分である。この部分では、測定からフィードフォワードまでの遅延を数十ナノ秒程度で行うことが要求される。この課題に対し、本研究のために開発された低遅延のFPGA(field-programmable gate array)ボードを用いて、複雑なフィードフォワードも数十ナノ秒程度で実行可能な装置を構築した。この手法は、3次位相ゲート以外にも様々な量子操作に応用することが可能である。フィードフォワード部分の動作確認として「動的スクイージングゲート」と呼ばれる量子ゲートの実験を行い、内容は日本物理学会において発表した。また、本手法を組み込んだ3次位相ゲートの装置全体の構築も完了し、古典的な光の信号を用いたタイミング同期の確認実験も完了した。今後は、実際に非古典的な光を入力し3次位相ゲートとしての性能を確認することになる。また、3次位相ゲート以外の非線形量子ゲートを効率的に構築する方法についての理論研究の結果を論文にまとめ、Physical Review A誌で発表した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Physical Review A
巻: 97 号: 2 ページ: 022329-022329
10.1103/physreva.97.022329
Proc. SPIE Volume 10535, Integrated Optics: Devices, Materials, and Technologies XXII
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Physical Review Letters
巻: 116 号: 23 ページ: 233602-233602
10.1103/physrevlett.116.233602