研究課題
特別研究員奨励費
1.マウス下肢リンパ浮腫モデルの作製マウス下肢リンパ系の解剖を実施し、リンパ排泄経路を3つ明らかにした。雌雄、週齢別に解剖を実施したが、いずれにおいても差はなかった。この3つの経路上には、それぞれ膝窩リンパ節、鼠径リンパ節、腸骨リンパ節が存在し、この3つのリンパ節を切除することで60日間リンパ浮腫が持続するモデルを作製することに成功した(Nakajima et al., 2018,Scientific Reports)。このモデルでは、リンパ浮腫部位で観察されるCD4+細胞の増加、毛細リンパ管の拡張、下肢周囲径・体積の増加がみられた。しかしながら、重症なリンパ浮腫の指標である線維化については、対照側と比較し有意差はみられなかった。この理由として、リンパ節切除部周囲では、切除部を迂回するリンパ管が出現し、これが側副路としてリンパを中枢へ排泄する役割を担っており、リンパ流を完全に遮断できなかったことが原因として考えられた。線維化を来すほど重症なモデルを動物で作製するためには、より多くのリンパをうっ滞させ続ける必要があり、このためには、リンパ節切除後に出現した側副路を遮断する方策の検討が必要である。また、リンパ節切除後に観察される側副路は平滑筋細胞をもつ導出リンパ管であった。2.リンパ浮腫の予防・治療法の開発Nishiguchiら(2013)とAsanoら(2015)の方法に準じて3次元培養を行い、幹細胞からリンパ管の作製に成功した。現在、リンパ管形成に必要な因子の同定を行っている。今後は、リンパ管形成に関わる因子を用いてin vivoでもリンパ節切除部でリンパ管が再生できるか検討を行う予定である。最終的に続発性リンパ浮腫患者への適応を目指す。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 4件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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