研究課題
特別研究員奨励費
今年度は,「散逸粒子動力学法によるメゾスケール水チャンネル構造内プロトン輸送評価シミュレータ」の構築に取り組んできた.これまでの分子動力学法による計算結果を利用してボトムアップ的に散逸粒子動力学モデルを構築する独自に開発した手法を用いることで,メゾスケールの空間スケールにおいてナノスケール流動現象を正確に扱うことを実現した高解像度のメゾスケール水チャンネル構造内プロトン輸送評価シミュレータの構築を目指している.これまでの成果は,学術誌および国内・国際会議で発表した.散乱実験において電解質膜内には水チャンネル構造の数十nm~数百nmの特徴的な周期構造長さに由来する散乱ピークが示されており,水チャンネル構造に関して実験的な観点から,シリンダー構造やラメラ構造など様々な水クラスターモデルが提唱されている.これら分子スケールと連続体スケールの中間的な空間スケールであるメゾスケール現象の解析に有効な手法として散逸粒子動力学法が挙げられる.本研究では,これまでのMD法による計算結果を利用してボトムアップ的に散逸粒子動力学モデルを構築する申請者の受入先研究室で独自に開発した手法を用いることで,メゾスケールの空間スケールにおいてナノスケール流動現象を正確に扱うことを実現した高解像度のメゾスケール水チャンネル構造内プロトン輸送評価シミュレータの構築に取り組んできた.これにより,電解質膜内部に形成されたメゾスケール水チャンネル形状を明確にし,プロトン伝導特性との相関を評価することが可能となる.また,水チャンネル構造特性を静的構造因子として評価することで,本シミュレータによって得られた計算結果を共同研究先によるSANS実験結果と比較を行い,妥当性の検証を行うとともに,シミュレータの改善を行ってきた.
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
The Journal of Fuel Cell Technology
巻: 15 ページ: 78-84
40020729314
Journal of Thermal Science and Technology
巻: 11 号: 3 ページ: JTST0045-JTST0045
10.1299/jtst.2016jtst0045
130005252736