研究課題
特別研究員奨励費
まず、ビタミンD依存性くる病2型(HVDRR)について、原因となるビタミンD受容体遺伝子の変異の型、タンパク質機能の変異の解析を進めた。その結果、変異点による表現型の違いに一定の規則性を見出すとともに、特異な変異型も明らかにした。この結果を論文にまとめ、論文に発表した。次にKenny-Caffey症候群2型(KCS2)について、その原因であるFAM111A遺伝子のタンパク質機能解析を進めた。FAM111A の野生型あるいは変異型を安定的に発現する軟骨前駆細胞株を用いた解析にて変異体は細胞増殖を低下させるとともに、軟骨への分化を強く抑制することが分かった。次にマウス胎児における骨端軟骨におけるFAM111A発現を解析したところ、前肥大層の軟骨細胞の核内にの強い発現が観察された。これらより、FAM111Aは特に軟骨細胞の肥大分化を抑制する機能を持つことが示唆された。これらは機能未知のFAM111A遺伝子に関して得られた全く新しい情報であり、並行して進めている遺伝子組換マウスやiPS細胞を用いた機能解析の重要な土台となる成果である。さらに、AMP-activated protein kinase (AMPK) に着目して、エネルギー代謝機構の解明とAMPK分子の薬理学的な制御について研究に取り組んだ。変異型AMPK導入細胞を用い、複数の薬剤について経路選択的にAMPK機能を活性化・抑制する性質を明らかにした。更に変異を導入した組み換えマウスの初代培養肝細胞を用いて、生体内でもその選択的な性質が成り立つことを示した。これらの成果は、AMPKとその周辺分子の作動機構に関する理解を深めただけでなく、組換細胞株および組換マウスを用いたアッセイがAMPK機能の制御機構を解明するために有用であることを実証し、AMPKの機能を選択的に制御しうる薬剤の候補を見出したという重要な成果である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) 備考 (2件)
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巻: 7 号: 1 ページ: 5102-5102
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https://kenny-caffey3.webnode.jp/
http://kenny-caffey3.webnode.jp/