研究課題
特別研究員奨励費
研究2年目の目標は、研究1年目に作成した理論モデルを用いて、バブルの発生条件、バブルの発生と崩壊が経済成長率、失業率に与える影響を分析し、それらの失業に適切な経済政策を分析することであった。特に理論モデルを用いた分析は、動学方程式の数が多く解析的な解を得ることが難しい状況を踏まえ、数値計算によるシミュレーションの準備も並行して行った。またこの数値計算によるシミュレーションを応用して、これまでに自身が行って来たバブルと失業の研究にも応用して様々な拡張した研究もを行った。初年度に構築した貨幣と株の二つの資産に同時に発生する理論モデルをより発展させ、バブルと失業の関係を研究目的に従い、分析した。初年度の研究“Asset Bubbles Labor market Frictions, and R&D-based Growth”での失業の動学的関係を考慮した理論モデルの構築方法を用いることによって、初年度に構築した理論モデルでは分析することのできなかった動学系路上での均衡の分析が可能となった。この理論モデルを用いて、バブルの発生条件や、バブルの発生と崩壊が経済成長や失業に与える影響について明らかにした。特に失業が明示的に存在する理論モデルにおいても、貨幣と株の二つの資産にバブルが同時に発生するには、貨幣バブルを毎期ごとに追加で供給する主体の存在が重要であることを明らかにした。また利子率が失業の影響を受けるため、貨幣・株バブルの総量は共に労働市場の環境にも依存していることを明らかにした。またバブルが崩壊した際に、失業手当や、R&Dへの経済政策を行うことによって、バブルの崩壊した際に発生する失業への影響を和らげることができることを示した。上記の研究結果は海外の学術誌への投稿に向けて現在執筆中である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
Discussion Paper Series, Graduate School of Economics, Kwansei Gakuin University
巻: 156 ページ: 1-35
Oxford Economic Papers
巻: 68 号: 4 ページ: 1084-1106
10.1093/oep/gpw032
Discussion Paper Series, Graduate School of Economics, Kobe University
巻: 1642 ページ: 1-32