研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、昨年度までに収集したサンプルに基づき、分類学的再検討、系統解析、寄主特定を進めた。さらに、台湾の国立自然科学博物館と行政院農業委員会農業試験所、および韓国の嶺南大学校の所蔵標本調査を行った。これらはそれぞれの国内における最大の寄生蜂コレクションであり、日本の周辺の寄生蜂相を考える上で重要なコレクションだった。これらの結果から、まず各属の分類学的再検討の論文化を行った。本年度内にはDentilabus属の再検討が出版され、日本及び韓国から2新種、D. nigripodusとD. iyoensisが記載された。また、日本産Platylabini族に含まれる全属の検索表を作成し、そのリストとともに国際膜翅目学会(9th International Congress of Hymenopterists)で発表した。また、この国際学会の参加報告を昆虫学会大会にて発表した。Platylabus属のうち、P. uranius種群に含まれる日本産種については、平成30年度 北海道応用動物・昆虫研究会にて分類学的再検討の結果を発表した。さらに、台湾での調査結果では、日本から1種、極東ロシアから1種の2種のみが知られるHeinrinchiellus属について、全く未知の4種が台湾に分布しており、日本にもさらに2種、インド1種、ラオス1種、インドネシア1種の11種が確認された。系統解析からは、Platylabus属が側系統群である可能性が示唆された。また、Heinrichiellus属は他の属と大きく異なる可能性が示唆されているが、他の族を含むヒメバチ亜科全体の系統関係を明らかにする必要があるといえる。寄主特定について、ヒメバチ成虫を用いた分子手法では結果を出すことができていない。今後全く別の手法を開発する必要があると考えている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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