研究課題
特別研究員奨励費
機能性の付与を目的にピレン骨格のC=C結合をB-N結合で置換した4-aza-5-phenyl-5-borapyreneを設計した。これまで物性値がほとんど得られていなかったBN核置換ピレンの問題点を明らかにし、合成ならびに単離精製、構造決定に成功した。単結晶X線構造解析にも成功し、BN結合が二重結合性を有していることを明らかにした。また、ハロゲン化物イオン認識についても調べ、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンの添加では見られない蛍光強度の減少がフッ化物イオンの添加により見られた。これらの結果から、フッ化物イオン認識能を明らかにした。また、これらBN置換化合物に関する研究内容はTubingen大学のBettinger教授との共同研究である。有機合成の手法を駆使した分子性ナノカーボンチューブの構築も引き続き研究を行った。ピレン誘導体の合成を行い、ワンポット合成、ステップワイズ合成によって単結合を含む環状体合成に取り組んだ。条件検討の結果、ピレン3量体を経由した合成ルートより、環状ピレン8量体と考えられる質量分析のピークを観測することができた。これら研究成果より、博士課程2年半で短縮学位を取得することができた。一連の研究で得られた知見は、分子ナノカーボンの設計や合成の簡便化だけでなく、新たな機能性の付与についても有効であり、多様な分子ナノカーボンを短工程かつ簡便に構築する足掛かりになる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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