配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2018年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2017年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2016年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ラットの左右前肢の協調運動の神経メカニズムを明らかにすることである。 昨年度得られたラットの前肢協調運動の新規の解析方法は国際誌Journal of Neurophysiologyに革新的手法として掲載された(Igarashi and Wickens,2019)。 昨年度確立した脳梁の薬理学的阻害方法と、前肢協調運動の新規の解析方法を用いて、脳梁阻害前と阻害後の左右対称な動きを定量した。結果、左右の運動野の接続を阻害されたラットは、左右対称な運動の頻度のみが低下し、非対称な動きが増加するすることが明らかになった。この結果から、脳梁の運動領域は左右対称な動きを制御していることが示唆された。上記の研究結果はbioRxivにより公開されており(Igarashi et al., 2019, BioRxiv, doi:10.1101/628248)、今後は国際誌への投稿を予定している。 行動課題遂行中のラットから記録された神経活動のデータを解析した。結果、左右の皮質において、神経活動パターンが正の相関を示す細胞同士のペアが数多く観察された。負の相関を示す細胞同士のペアも観察されだが、正に相関する細胞のペアの数が負の相関のペアの数を著しく上回っていた。左右対称の動きが非対称を上回る本行動課題において、上記の結果は、左右の皮質の正の相関を示す細胞ペアが左右対称の動きの発現に関わっている可能性が考えられる。結果は沖縄科学技術大学院の機関レポジトリにおいて公開されているほか(Igarashi M, OIST Doctoral Thesis, doi:10.15102/1394.00000740)、国際誌への投稿に向けて、現在原稿を執筆している。
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