研究課題
特別研究員奨励費
研究計画に従って、昨年度申請者はRO1-xFxBiS2(R:希土類)の高純良な単結晶育成法を確立するべく、CsClフラックス法やCVD法等の方法により試行錯誤を行い、LaO1-xFxBiS2 (x = 0.1 - 0.5) における単結晶育成方法を確立した。これらの成功により得られた単結晶を用いて、本年度、高エネルギー加速器研究機構の放射光科学施設(PF)にて精密な単結晶構造解析を行った。この実験により、LaO1-xFxBiS2では、xに依存した、構造相転移や長周期構造が現れることを、初めて明らかにすることに成功した。この長周期構造の発現に伴い、ギャップが開くことが予想されるため、マクロ測定において確認すべく、この試料の輸送特性(電気抵抗・ホール)および磁化測定を行った。その結果、超周期構造の発現に伴い、電気抵抗率は著しく上昇すると同時に、ホール係数においてキャリア密度の減少が観察された。磁化測定においても、超格子反射の発現温度付近において、傾きの変化を観察し、状態密度が変化している可能性を示唆する結果を得た。EuFBiS2においても、世界で初めて純良単結晶の育成に成功し、世界で初めて単結晶を用いた輸送特性および磁化特性測定に成功した。これらの基礎物性測定の結果、Euの価数が温度依存して変化することを見出した。さらに、低温においてEuの価数や磁気的状態に深く関わると思われる、巨大な磁気抵抗効果が現れることを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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