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ジョルジョ・デ・キリコによる形而上絵画理論のシュルレアリスムへの影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16J05817
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 美術史
研究機関成城大学
特別研究員 長尾 天  成城大学, 文芸学部, 特別研究員(PD)
研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
研究課題ステータス 完了 (2018年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードジョルジョ・デ・キリコ / 形而上絵画 / シュルレアリスム / 主体から客体への移行 / 遠近法 / 神の死 / デ・キリコ / 子どもの脳 / ニーチェ / ショーペンハウアー / 生の無意味 / ヴァイニンガー
研究実績の概要

当該年度は、本研究の核である、デ・キリコの形而上絵画理論がシュルレアリスムに与えた影響を検討する予定であった。特に以下の二点を明らかにした。
まず、形而上絵画とシュルレアリスムに共通する遠近法的空間が、ニーチェ思想の影響下にある、いわば反形而上学的空間であることを明らかにした。遠近法を形而上学とパラレルな構造を持つものとして捉えた場合、遠近法を意図的に異化させるデ・キリコやシュルレアリスムの空間はむしろ反形而上学的な世界観に拠るものとして捉えることができる。それはいわば形而上学的な外部が存在しない内在的な空間であり、ここからシュルレアリスムのリーダー、アンドレ・ブルトンが唱えた「内的モデル」や「特殊な内在論」としてのシュルレアリスムといった概念の意味を捉え直すことができる。
次に、デ・キリコの形而上絵画理論と、シュルレアリスムにおけるオートマティスムとの連続性について考察を行った。ブルトンはオートマティスムにおいて「主体から客体への移行」が生じるとしているが、このことはランボー的観点から捉えることができる。ランボーは「見者の手紙」において、デカルトの「私は考える」を「誰かが私を考える」に読み換え、主体としての「私」を客体の側に置いた。デ・キリコは1919年の「我ら形而上派……」において、やはりランボーに言及を行っている。様々な文脈から、デ・キリコによるこのランボーへの言及は、やはり主体の客体化と関係していることが推測される。というのも、デ・キリコの理論的根拠であったニーチェもまたデカルトのコギトを批判しているからである。このように、ランボーを介することで、デ・キリコの形而上絵画理論は、シュルレアリスムにおけるオートマティスムと接続される。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2018 実績報告書
  • 2017 実績報告書
  • 2016 実績報告書

研究成果

(13件)

すべて 2019 2018 2017

すべて 雑誌論文 学会発表

  • [雑誌論文] 反形而上学的遠近法 ―― ジョルジョ・デ・キリコとシュルレアリスムにおける空間表現について2019

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 雑誌名

      美術史研究

      巻: 第56号 ページ: 15-29

    • NAID

      40021805717

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [雑誌論文] ジョルジョ・デ・キリコとシュルレアリスムにおける主体の客体化について2019

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 雑誌名

      エクフラシス

      巻: 第9号 ページ: 13-30

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『神の死』の後を生きる ―― ジョルジョ・デ・キリコからシュルレアリスムへ2019

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 雑誌名

      成城文藝

      巻: 247号 ページ: 81-98

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 没落する人間 ―― ジョルジョ・デ・キリコ《子どもの脳》の派生作品について2018

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 雑誌名

      WASEDA RILAS JOURNAL

      巻: no.6 ページ: 339-352

    • NAID

      130007659255

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] 予言装置としての絵画 ―― シュルレアリスムにおけるジョルジョ・デ・キリコ受容の一側面2018

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 雑誌名

      エクフラシス

      巻: 8 ページ: 65-81

    • NAID

      120006633955

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] Giorgio de Chirico and the Nonsense of Life: Nietzsche, Schopenhauer, Metaphysical Painting2018

    • 著者名/発表者名
      NAGAO Takashi
    • 雑誌名

      Aesthetics

      巻: 21 ページ: 69-82

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] 神の死の肖像 ―― ジョルジョ・デ・キリコ《子どもの脳》について2017

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 雑誌名

      WASEDA RILAS JOURNAL

      巻: 5 ページ: 205-220

    • NAID

      120006416987

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] 西洋近代美術における「神の死」とシュルレアリスム試論2017

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 雑誌名

      成城文藝

      巻: 242 ページ: 1-17

    • NAID

      120006470366

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] ジョルジョ・デ・キリコとオットー・ヴァイニンガー ―― 生の無意味をめぐって ――2017

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 雑誌名

      エクフラシス

      巻: 7 ページ: 119-133

    • NAID

      40021174415

    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 反形而上学的遠近法 ―― ジョルジョ・デ・キリコとシュルレアリスムにおける空間表現について2018

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 学会等名
      早稲田大学美術史学会例会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] 没落する人間 ―― ジョルジョ・デ・キリコ《子どもの脳》の派生作品について2018

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 学会等名
      美学会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] 神の死の肖像 ―― ジョルジョ・デ・キリコ《子どもの脳》について2017

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 学会等名
      日仏美術学会
    • 発表場所
      日仏会館(東京都渋谷区)
    • 年月日
      2017-03-18
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
  • [学会発表] もしもシュルレアリスムが美術だとしたら?2017

    • 著者名/発表者名
      長尾天
    • 学会等名
      早稲田大学総合人文科学研究センター研究部門「イメージ文化史」主催、シュルレアリスム美術を考える会企画、シンポジウム「もしもシュルレアリスムが美術だとしたら?」
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

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公開日: 2016-05-17   更新日: 2019-12-27  

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