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ゲノム網羅的なp53結合部位同定を用いた標的遺伝子探索による癌病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16J05870
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 腫瘍生物学
研究機関札幌医科大学

研究代表者

大箸 智子  札幌医科大学, 医学部, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
研究課題ステータス 完了 (2016年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2016年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードp53 / LIMA1 / 癌 / 浸潤 / 予後 / EPLIN
研究実績の概要

p53はヒト癌において最も高頻度に異常が認められる重要な癌抑制遺伝子である。細胞がDNA損傷などのストレスを受けるとp53は活性化し、標的遺伝子の特異的なDNA配列に結合してその転写を制御することで細胞周期調節、アポトーシス誘導などに関与し、癌抑制機能を発揮している。しかし、未だ同定されていないp53の標的遺伝子が多数あり、p53の未知の機能が存在することが想定される。
そこで、未知のp53の直接標的遺伝子を同定するため、p53欠失の肺癌細胞H1299にp53を過剰発現させた際の遺伝子発現変化を、マイクロアレイにより網羅的に解析した。その結果、LIM DOMAIN AND ACTIN-BINDING PROTEIN 1(LIMA1、別名EPLIN)がp53の新規標的遺伝子として同定された。LIMA1は、正常組織と比較して癌において発現が有意に減少していた。興味深いことに、内因性p53を活性化させる小分子であるNutlin-3aによって誘発される癌細胞浸潤能の低下が、LIMA1のノックダウンにより有意に抑制されることが判明した。更に、異種移植ヌードマウスモデルにおいてNutlin-3aを腹腔内投与したところ、コントロール細胞では腫瘍体積の減少が認められたが、LIMA1ノックダウン細胞ではその減少が阻害された。また、今回用いた大腸癌、乳癌、肺癌の3つの遺伝子発現データセットにおいて、LIMA1低発現群では生存率が有意に低下していることが明らかとなった。
以上の結果より、LIMA1はp53の直接の標的として発現誘導されること、癌細胞におけるLIMA1の発現減少は浸潤能増強につながることが示された。さらにLIMA1は癌で有意に発現が低下しており、この低発現は生存率低下とも相関する予後不良因子であることから、LIMA1の発現減少が癌の発生進展に寄与すると考えられる。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2016 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] p53 mediates the suppression of cancer cell invasion by inducing LIMA1/EPLIN.2017

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Ohashi, Masashi Idogawa, Yasushi Sasaki, Takashi Tokino
    • 雑誌名

      Cancer Letters

      巻: 390 ページ: 58-66

    • DOI

      10.1016/j.canlet.2016.12.034

    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Long non-coding RNA NEAT1 is a transcriptional target of p53 and modulates p53-induced transactivation and tumor-suppressor function.2017

    • 著者名/発表者名
      Masashi Idogawa, Tomoko Ohashi, Yasushi Sasaki, Hiroshi Nakase, Takashi Tokino
    • 雑誌名

      International Joural of Cancer

      巻: 印刷中 号: 12 ページ: 2785-2791

    • DOI

      10.1002/ijc.30689

    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] LIMA1は新規p53標的遺伝子であり癌細胞浸潤を抑制する.2016

    • 著者名/発表者名
      大箸智子,井戸川雅史,佐々木泰史,時野隆至.
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-12-02
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
  • [学会発表] 新規p53標的遺伝子LIMA1は癌細胞浸潤を抑制し低発現が予後不良と相関する.2016

    • 著者名/発表者名
      大箸智子,井戸川雅史,田村みゆき,中垣貴文,小山良太,佐々木泰史, 時野隆至.
    • 学会等名
      第75回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-10-08
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書

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公開日: 2016-05-17   更新日: 2024-03-26  

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