研究課題
特別研究員奨励費
北京型株などの一部の高病原性臨床分離結核菌株の細胞壁に存在するとされる糖脂質phenolic glycolipid(PGL)は、感染局所に菌の増殖に許容的なマクロファージを集積させることで宿主による排除を逃れ、病原因子として機能しうることが報告されている。この、菌の増殖に許容的マクロファージの集積には、感染局所におけるケモカインMCP-1の産生が重要であると考えられているが、その機能を担うPGL認識受容体は未だ不明である。これまでの解析から、マウス骨髄から誘導した樹状細胞やマクロファージをPGLで刺激すると、ケモカインMCP-1の産生が誘導され、このMCP-1産生は、ITAM(immunoreceptor tyrosine-based activating motif)含有アダプター分子であるDAP12及びその共役型受容体であるPGLRに依存することを見出している。ところが最近になって、海外のグループが、ゼブラフィッシュを用いた実験系から、PGLによるMCP-1の産生誘導は、細胞内DNAセンサーであるSTINGに依存することを報告した(Cambier et al. Immunity 2017)。そこで、STING欠損マウス骨髄由来マクロファージを用いて、マウスマクロファージにおけるSTINGの寄与を検討したところ、PGL刺激に伴うMCP-1産生には、STINGの欠損は影響しなかった。このことから、哺乳類では、PGLRが機能的な受容体であることが示唆された。別の菌種によって産生されるPGL-1などの類縁糖脂質に関しても、現在解析を行っている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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感染炎症免疫
巻: 47 (4) ページ: 2-11
臨床免疫・アレルギー科
巻: 68 (4) ページ: 395-401
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新着論文レビュー
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10.7875/first.author.2017.001
Immunity
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10.1016/j.immuni.2016.10.012
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