ＤＮＡ損傷に伴うクロマチン構造変化の制御メカニズム解析

• 研究課題/領域番号: 16J06389
• 研究種目: 特別研究員奨励費
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 国内
• 研究分野: 形態・構造
• 研究機関: 東京理科大学
• 研究代表者: 平川 健 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
• 研究期間 (年度): 2016-04-22 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2018年度)
• 配分額: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円); 2018年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円); 2017年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円); 2016年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
• キーワード: クロマチン構造 / DNA損傷応答 / 相同組換え / DNA修復 / RAD54

研究実績の概要

1. RAD54の相互作用因子の同定と機能解析
シロイヌナズナDNA損傷応答においてRAD54は損傷ゲノム領域に集積してDNA修復フォーサイを形成するが、損傷領域を認識する分子メカニズムは不明であった。近年相同組換えにおいて相同組換え因子はヒストン修飾酵素やヒストンシャペロンと協調的に機能することが報告されていることから、RAD54の動態制御を担うエピジェネティック因子の同定を試みた。共免疫沈降及び質量分析の結果、RAD54の新規相互作用因子としてあるヒストン脱メチル化酵素(HDM)を同定した。BiFCアッセイ及び近接ライゲーションアッセイ(in situ PLA)によってもRAD54とHDMの相互作用は確認された。HDMはヒストンH3の4番目のジメチル(H3K4m2)の脱メチル化を介して遺伝子発現に寄与することから、RAD54とH3K4me2の関係解析を行った。In vitroプルダウンアッセイによりRAD54はH3K4me2に直接結合すること、HDM変異株においてRAD54とH3K4me2の相互作用頻度が増加していることがin situ PLAによりわかった。さらに、ChIP-qPCRによって、相同組換えにおいてH3K4me2はHDM依存的に減少することが明らかになった。これより、RAD54はH3K4me2を介して損傷領域に集積し、HDMはH3K4me2を脱メチル化してRAD54を適切なタイミングでクロマチンから解離させていることがわかった。

2. DNA損傷応答に機能するクロマチン構造制御因子の逆遺伝学的スクリーニング
前年度に単離したクロマチン構造制御因子の変異株におけるDNA損傷応答因子の発現解析を行った。その結果。DNA二本鎖切断処理時のDNA修復因子の発現量が低下していた。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [国際共同研究] CNRS(フランス)
• [国際共同研究] CNRS(France)
• [国際共同研究] CNRS(France)
• [雑誌論文] Proteasomal degradation of BRAHMA promotes Boron tolerance in Arabidopsis. (2018)
  • 著者名/発表者名: Sakamoto, T., Tsujimoto-Inui, Y., Sotta, N., Hirakawa, T., Matsunaga, T. M., Fukao, Y., Matsunaga, S., and Fujiwara, T.
  • 雑誌名: Nature Commun. 巻: 9 号: 1 ページ: 5285-5285
  • DOI: 10.1038/s41467-018-07393-6
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] RAD54 forms DNA repair foci in response to DNA damage in living plant cells. (2017)
  • 著者名/発表者名: Hirakwa, T., Hasegawa, J., White, C and Matsunaga, S.
  • 雑誌名: PLANT JOURNAL 巻: 90 号: 2 ページ: 372-382
  • DOI: 10.1111/tpj.13499
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Plant Aurora kinases interact with and phosphorylate transcription factors. (2016)
  • 著者名/発表者名: Takagi, M., Sakamoto, T.,Suzuki, R.,Nemoto, K., Obayashi, T., Matsunaga, T. M., Hirakawa, T., Kurihara, D., Nariai, Y., Urano, T., Sawasaki, T., Matsunaga, S.
  • 雑誌名: JOURNAL OF PLANT RESEARCH 巻: 129 号: 6 ページ: 1165-1178
  • DOI: 10.1007/s10265-016-0860-x
  • NAID: 40020988231
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Three dimensional, live-cell imaging of chromosome dynamics in plant nuclei using chromatin tagging systems. (2016)
  • 著者名/発表者名: Hirakawa, T. and Matsunaga, S.
  • 雑誌名: Methods in Molecular Biology 巻: 1469 ページ: 189-195
  • DOI: 10.1007/978-1-4939-4931-1_15
  • ISBN: 9781493949298, 9781493949311
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Dynamics of plant DNA replication based on PCNA visualization. (2016)
  • 著者名/発表者名: Yokoyama, R., Hirakawa, T., Hayashi, S., Sakamoto, T. and Matsunaga S.
  • 雑誌名: Scientific Reports 巻: 6 号: 1 ページ: 29657-29657
  • DOI: 10.1038/srep29657
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Chromatin Tagging Systems Contribute to Live Imaging Analyses for Chromatin Dynamics (2016)
  • 著者名/発表者名: Hirakawa T. and Matsunaga S.
  • 雑誌名: ＣＹＴＯＬＯＧＩＡ 巻: 81 号: 2 ページ: 121-123
  • DOI: 10.1508/cytologia.81.121
  • NAID: 130005159789
  • ISSN: 0011-4545, 1348-7019
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] ヒストン脱メチル化酵素LDL1はH3K4me2の脱メチル化を介して相同組換え修復を促進する (2019)
  • 著者名/発表者名: 平川健、桑田啓子、松永幸大
  • 学会等名: 第60回日本植物生理学会年会
• [学会発表] ヒストン脱メチル化酵素によるDNA 損傷応答におけるクロマチン構造制御 (2018)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 第4回環境記憶統合・若手の会
• [学会発表] シロイヌナズナの相同組換えにおけるヒストン脱メチル化酵素によるクロマチン構造制御 (2018)
  • 著者名/発表者名: 平川健、桑田啓子、松永幸大
  • 学会等名: 日本遺伝学会第90回大会
• [学会発表] ヒストン脱メチル化酵素による相同組換えにおけるクロマチン構造制御機構の解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 平川健、桑田啓子、松永幸大
  • 学会等名: 日本植物学会第82回大会
• [学会発表] ヒストン脱メチル化酵素によるクロマチンリモデリング因子RAD54の相同組換えにおける動態制御 (2018)
  • 著者名/発表者名: 平川健、桑田啓子、松永幸大
  • 学会等名: 日本植物形態学会第30回総会・大会
• [学会発表] Analysis of the histone demethylase during homologous recombination in response to damage (2018)
  • 著者名/発表者名: Takeshi Hirakawa、Keiko Kuwata、Sachihiro Matsunaga
  • 学会等名: EMBO Workshop "Plant Genome Stability and Change"
  • 国際学会
• [学会発表] 植物DNA損傷応答におけるヒストン脱メチル化酵素の機能解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 平川健、桑田啓子、松永幸大
  • 学会等名: 第59回日本植物生理学会年会
• [学会発表] DNA損傷応答におけるクロマチンリモデリング因子の動態解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 第58回日本植物生理学会年会
  • 発表場所: 鹿児島大学郡元キャンパス(鹿児島県・鹿児島市)
  • 年月日: 2017-03-16
• [学会発表] 植物DNA損傷応答におけるクロマチンリモデリング因子RAD54の核内動態解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 2017年度生命科学系学会合同年次大会(ConBio2017)
• [学会発表] 植物DNA損傷応答におけるヒストン脱メチル化酵素の機能解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 新学術領域・環境記憶統合 若手の会
• [学会発表] シロイヌナズナにおける相同組換え因子RAD54の動態解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 日本植物学会第81回大会
• [学会発表] シロイヌナズナDNA損傷応答における相同組換え因子RAD54の動態解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 日本植物形態学会第29回総会・大会
• [学会発表] Nuclear dynamics of chromatin remodeler RAD54 in DNA damage response of plant (2017)
  • 著者名/発表者名: Takeshi Hirakawa, Sachihiro Matsunaga
  • 学会等名: International Symposium on Imaging Frontier 2017
  • 国際学会
• [学会発表] In vitro analysis of recombination activity of Arabidopsis Thaliana RAD51 and DMC1 (2016)
  • 著者名/発表者名: Enwei Liu, Wataru Kobayashi, Shinichi Machida, Takeshi Hirakawa, Zsuzanna Orban-Nemeth, Sachihiro Matsunaga, Peter Schlogelhofer, Hitoshi Kurumizaka
  • 学会等名: 第39回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
  • 年月日: 2016-11-30
• [学会発表] Chromatin dynamics in DNA damage response (2016)
  • 著者名/発表者名: Sachihiro Matsunaga, Takeshi Hirakawa
  • 学会等名: Cold Spring Harbor Asia Conferences 2016
  • 発表場所: 淡路夢舞台国際会議場(兵庫県・淡路市)
  • 年月日: 2016-11-29
  • 国際学会
• [学会発表] Three-dimensional structure of a cyanobacterium visualized by cryogenic coherent X-ray diffraction imaging using X-ray free-electron laser (2016)
  • 著者名/発表者名: Amane Kobayashi, Yuki Sekiguchi, Koji Okajima, Tomotaka Oroguchi, Masayoshi Nakasako, Yayoi Inui, Takeshi Hirakawa, Sachihiro Matsunaga, Masaki Yamamoto
  • 学会等名: 第54回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: つくば国際会議場(茨城県・つくば市)
  • 年月日: 2016-11-25
• [学会発表] 核内構造に着目した植物DNA損傷応答機構の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 新学術領域研究「発生ロジック」 第4回若手ワークショップ
  • 発表場所: ラフォーレ修善寺(静岡県・伊豆市)
  • 年月日: 2016-11-01
• [学会発表] The chromatin remodeling factor forming DNA repair foci in living cells of Arabidopsis (2016)
  • 著者名/発表者名: Takeshi Hirakawa, Sachihiro Matsunaga
  • 学会等名: 新学術領域・環境記憶統合 若手の会
  • 発表場所: KKRホテル熱海(静岡県・熱海市)
  • 年月日: 2016-10-12
• [学会発表] クロマチン・ライブイメージングへの挑戦 (2016)
  • 著者名/発表者名: 松永幸大、藤本聡、平川健、栗田和貴、坂本卓也
  • 学会等名: 日本植物学会第80回大会
  • 発表場所: 沖縄コンベンションセンター(沖縄県・宜野湾市)
  • 年月日: 2016-09-16
• [学会発表] シロイヌナズナのDNA損傷応答において形成される核内構造体の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 日本植物学会第80回大会
  • 発表場所: 沖縄コンベンションセンター(沖縄県・宜野湾市)
  • 年月日: 2016-09-16
• [学会発表] Imaging analysis for the dynamics of homologous loci under DNA damages in living cells of Arabidopsis thaliana (2016)
  • 著者名/発表者名: Takeshi Hirakawa, Sachihiro Matsunaga
  • 学会等名: Plant Genome Stability and Change 2016
  • 発表場所: 湘南国際村センター(神奈川県・三浦郡葉山町)
  • 年月日: 2016-07-07
  • 国際学会
• [学会発表] シロイヌナズナにおいてDNA損傷により形成される核内構造体の解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 平川健、松永幸大
  • 学会等名: 日本植物形態学会第28回総会・大会
  • 発表場所: 琉球大学千原キャンパス(沖縄県・中頭郡西原町)
• [図書] 21世紀の遺伝学(XV) (2019)
  • 著者名/発表者名: 平川健、桑田啓子、松永幸大
  • 総ページ数: 19
  • 出版者: シロイヌナズナの相同組換えにおけるヒストン脱メチル化酵素によるクロマチン構造制御
• [図書] Chapter 10 Coherent X-ray Diffraction Imaging of Cyanidioschyzon merolae. "Cyanidioschyzon merolae: A New Model Eukaryote for Cell and Organelle Biology" edited by Kuroiwa, T., Miyagishima, S., Matsunaga, S., Sato, N., Nozaki, H., Tanaka, K., and Misumi, O. (2018)
  • 著者名/発表者名: Sekiguchi, Y., Kobayashi, A., Takayama, Y., Oide, M., Fukuda, A., Yamamoto, T., Okajima, K., Oroguchi, T., Hirakawa, T., Inui, Y., Matsunaga, S., Yamamoto, M., and Nakasako, M.
  • 出版者: Springer
  • ISBN: 9789811061011
• [備考] 東京理科大学 理工学部 応用生物科学科 松永研究室
  • URL: https://www.rs.tus.ac.jp/sachi/
• [備考] 放射線や化学物質により形成される植物の核内構造体の発見 ～植物のストレス診断指標を見出す～
  • URL: http://www.tus.ac.jp/today/20170208001_2.pdf