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ジャービル派『探究の書』における諸学の基礎としての「秤」の理論の研究。

研究課題

研究課題/領域番号 16J06483
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 思想史
研究機関東京大学

研究代表者

渡邉 真代  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
研究課題ステータス 完了 (2017年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2017年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2016年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードジャービル・ブン・ハイヤーン / アフロディシアスのアレクサンドロス / 質料形相論 / アラビア科学 / ジャービル・イブン・ハイヤーン / 数量化 / 形相
研究実績の概要

昨年度に引き続き、ジャービル・ブン・ハイヤーンに帰される『探求の書』を収めたアラビア語写本の読解に取り組み、内容理解を深める場として、『探求の書』読書会を毎月開催した。
『探求の書』第1章には、質料と形相の何であるかが記されている。その中身は基本的にアリストテレスの質料形相論を踏襲しているが、「形相すなわち運動」とする独自の形相論も展開されている。この特異な形相論の源泉は、『探求の書』第6章に見出された。
第6章には、アフロディシアスのアレクサンドロスの著作を引用した箇所がある。引用の出典は「アレクサンドロスの論文」とだけ記され、その原典はこれまで特定されずにいた。しかしこの度、「形相が質料の内にいかにしてあるか」を主題とする箇所で引用されている「論文」が、アレクサンドロス『問題集』第1巻第17問のアラビア語訳である可能性に行き着いた。続いて、「運動の何であるか」を論じた箇所で引用される「論文」がD8と一致することを確認し(D8とは、[Dietrich (1964)] がアレクサンドロスのアラビア語作品に付した整理番号で8番目の作品を指す)、さらにD8が『問題集』第1巻第21問(=1.21)のアラビア語訳であると判断するに至った。ところが、1.21のアラビア語訳としては、既に別の作品D2が認知されている。D8とD2は異なる作品として数えられているものの、訳語の違いが見かけ上の差異をもたらしているだけであり、両者は同じ原典を持つ作品であると理解できる。特にD8では、1.21の内容理解において決定的な意味を持つ一文が誤訳されており、それが本来1.21には見出されない「形相すなわち運動」という思想を、D8の内に生み出す契機となっていた。
以上の内容を口頭発表にて報告し、また、関連するアラビア語写本資料を求め、3月にはイランのテヘラン大学図書館、議会図書館にて写本データの収集を行った。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2017 実績報告書
  • 2016 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 2016

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] アラビア語圏のアレクサンドロス――ジャービル・ブン・ハイヤーンが伝えるその質料・形相・運動論2018

    • 著者名/発表者名
      渡邉真代
    • 学会等名
      第8回PAP研(科研費プロジェクト「アリストテレス倫理学の再定位を通した新たな自然主義的倫理学の構想」(17H02257)研究会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] ジャービル派『探求の書』における形相論 ―――「ティラスム」、「完成させるもの」を軸として―――2017

    • 著者名/発表者名
      渡邉真代
    • 学会等名
      バロック・スコラ哲学研究会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(東京都・港区)
    • 年月日
      2017-04-22
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
  • [学会発表] ジャービル派『探求の書』における形相論 ―「ティラスム」、「完成させるもの」を軸として―2017

    • 著者名/発表者名
      渡邉真代
    • 学会等名
      第7回バロック・スコラ哲学研究会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] アラビア科学における数量化の思想2017

    • 著者名/発表者名
      渡邉真代
    • 学会等名
      第27回駒場地域院生フォーラム
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] ジャービル・ブン・ハイヤーン『探求の書』が繋ぐギリシア思想とアラビア科学2017

    • 著者名/発表者名
      渡邉真代
    • 学会等名
      2017年度九州史学会イスラム文明学部会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] ジャービル派『探求の書』と「秤」の理論2016

    • 著者名/発表者名
      渡邉真代
    • 学会等名
      科学史西日本研究大会
    • 発表場所
      京都大学(京都府・京都市)
    • 年月日
      2016-12-04
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書

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公開日: 2016-05-17   更新日: 2024-03-26  

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