研究課題/領域番号 |
16J07154
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱田 武志 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 漢語系諸語 / 粤語 / 系統論 / パスパ文字資料 / 漢字音史料 / 言語学 / 比較言語学 / 中国語学 / 分岐学 / 系統樹 / 非漢語 |
研究実績の概要 |
昨年度、粤語の系統上の起源を探るうえで重要な言語種と考えられる「官話」について、その単系統性(集合の成員が系統上、排他的に単一の起源に遡ること)が予断をもって認定せられないことが判明した。本年度はこれを研究の出発点として、①粤語が他の漢語系諸語から分岐した蓋然性が高い宋代前後の、非漢字資料が示す言語音の再検討を行った。これと並行して、②「瑤(ヤオ)族(ベトナム名「ザオ族」)」の持つ儀礼文献のうち、その漢字に音註を施したものについて、中国音韻学の観点から分析を行った。 官話の古い形態を示すと考えられている資料のうち、パスパ文字で漢字音を記した韻書(一種の発音辞典)『蒙古字韻』が反映する漢語について、昨年度にその音韻体系を推定し、今年度はパスパ文字で漢字音を表記する方法そのものについての考察を行った。パスパ文字による漢字音の綴字は、現代の言語学が行うような、音韻体系の記述や音素の精密な同定を意図して制定されたものでないと見做した方が、漢語史的観点からも、音韻体系の整合性という観点からも、より妥当と考えられることが明らかとなった。パスパ文字資料などを漢語系諸語の系統論的研究に活用するには、既存の研究成果を様々な角度から再検証する必要性が、本年度の研究を通じて確認することができた。 昨年度に、クォック・グー(ベトナム語のローマ字表記体系)で「勉(ミエン)語」(瑤族の言語の一種。以下、ミエン語)の漢字の読音が肉筆で註せられた『神歌書』という儀礼文献が発見された。本年度は同文献について、主に中国音韻学の観点から分析した。本年度の研究成果からは、ベトナムのミエン語の漢字音が他所に見られない独自の特徴を持つ可能性が示唆される。本研究は同時に、「日常的な口語ではなく儀礼文献の読誦音の文字表記を、本来無文字であるミエン語の話者自身が行う」という、言語社会学的にも興味深い現象を報告するに至った。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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