研究課題/領域番号 |
16J07245
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
植野 さやか 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2018-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2017年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2016年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 腹腔内播種 / 免疫抑制 / 卵巣癌 / 転移 / 免疫回避 / 癌幹細胞 |
研究実績の概要 |
昨年度の研究結果から、卵巣癌幹細胞はEpCAMの発現によって放出された液性因子によりマクロファージを誘引し、免疫機構の制御及び腹腔内播種を引き起こすことが示唆された。今年度はさらに癌幹細胞だけでなく、卵巣癌細胞全体を対象に免疫回避機構を解析することとした。 マウス卵巣癌細胞株をマウス腹腔内移植を繰り返して高転移株を作成した。次に、高転移株と親株の遺伝子発現をマイクロアレイにて比較し、転移に関わる候補遺伝子を抽出した。さらに、公共データベースを用いて卵巣癌患者予後に寄与する候補遺伝子を絞り込み、SERPINF1(タンパク:PEDF)を同定した。PEDFは他の癌種においては、血管新生抑制機能を介して癌抑制遺伝子として作用することが知られているが、卵巣癌における機能は明らかになっていない。今回の検討では、PEDFは高転移株で発現が増強しており、ヒトデータベースの解析においても、発現の高い群で予後不良であるとの結果であった。そこでPEDFが実際に転移に寄与しているかどうかを調べることとした。 まず、PEDFを親株細胞に強制発現させると、腹腔内転移が増加した。親株細胞の中にはPEDFの発現の異なる多数のクローンが含まれており、PEDF発現強度に応じて腹腔内転移能が増加した。また、PEDFの発現は足場の有無に関わらず、増殖に影響を及ぼさない一方、がん細胞の腹腔内での生存期間に影響を与えた。腹腔内の免疫細胞解析では、IL10を産生するCD206+マクロファージが増加しており、腹腔内IL10濃度自体も有意に増加することを見出した。これらの結果より、卵巣癌細胞から放出されるPEDFは腹腔内免疫細胞を抑制し、癌細胞の生存ひいては腹腔内転移能の獲得に寄与していることが示唆された。
|
現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|